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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
331/545

第331話 イノさん達が町にはいれるか、確認してみよう

「こちらに被害が無くて、よかったでござる」

「あっちが、どうなってるか、心配ではあるけど」

「そうね

 でも、こっからじゃ、流石に、どうなってるか、判らないわね」


 僕らは、これ以上心配しても、無駄と思い、考えることをやめるとまた歩み始めた。

 この後、日が沈みかけ、夕焼けが見えるまで、歩き続けたが、敵が現れることはなかったため、安全に、次の町に着くことができた。

 

「岩が来たときは、どうなることかと思ったけど、

 どうにか無事着きそうね」

 ナナさんの視線の先には、大きなゲートがあり、全員が、間もなく町にはいれることが判っていた。

 だが、人影は何もなく、辺りは閑散としていた。


「イノさん達は、はいれるのかな?」

「無理でござる……

 かどうか、行けば、判断できるでござるよ」

「そうね」

 と軽い口調で話しているが、希望がみえない全員は、緊張のためか、口数が少なくなり、静かに向かっていった。だが、沈黙に耐え切れなくなったのか、話す奴が現れた。


「全然、村人がいないでござるな」

「そうだね、家で静かにしてるんだろうか」

「そろそろね」

 とうとう、通れるか、ドキドキの時間がやってきた。僕は生唾をのみこみながら、先頭で痛快すると、ナナさん、エドワードと続き、最後のイノさん達も、何事もなく通過することができた。


「やっぱり、イノさんは、魔物ではないでござるな。

 拙者の思ってたとおりでござる」

「だとしても、この先の町の中は、流石に、一緒には行けないわね」

「そうですね。

 残念だけど、見つからないように一番高い建物の上で、待ってて」

「ワカッタ」

「ご飯と寝床が決まったら、連絡するよ」

「楽しみにしてるだお」

 ギノさんが、しゃべってる先で、イノさんは、前傾姿勢のなると、飛び上がり、あっという間に姿が見えなくなった。


「また、三人でござるな。

 どこに行くので、ござる」

「やっぱり、ギルドでしょうね」

「そうですね。

 っていっても、向こうから、やってきますね」


 僕の視線の先には、ギルドの職員らしき一団が、小走りでやってきた。その先頭では、ギルドの服装をしたショートボブの女性が、胸を揺らしながらやってきた。


「ぜぇ、ぜぇ、

 ヒ、ヒビキさんでらっしゃいますか?」

「ええ、僕は、ヒビキですが、

 どんな御用でしょう?」

「私、この町のギルドで副ギルド長をまかされてるアカリと申します。

 よろしくお願いします」

 彼女は、深々と頭を下げると、後ろの一団も、軽く頭を下げた。


「それで、ですが、

 ギルド長が、お願いがあるとのことで、お待ちです。

 ギルドまで、来ていただけませんでしょうか?」

「ええ、かまいませんよ」

 僕は、次への町の輸送の依頼かなと考えながら、一団に囲まれて、大きな建物に連れて行かれた。

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