第328話 お昼ご飯をみんなで作ってみよう
一緒に歩いていたイノさんがこちらを振り向くと、
「ナカ ガ イインダナ」
「そうかなぁ」
僕は、苦笑いを浮かべながら、頬を人差し指でかきながら、そうみえるのかなぁと不思議そうな表情に変えた。
そんなやり取りの中、後れていた二人が、小走りで追いかけてきた。
「待ってでござる、ヒビキ殿」
「先に、行かないでよぉ」
「そんな気はないんですが、何となく」
僕は、振り向きながらも、追いついて来るのを待つため、ゆっくり歩くと、二人は直ぐに追いつき、4人(?)で横に並んで歩いた。
しばらく進んで歩いてくると、やっぱり、敵が襲ってきたので、みんなで協力して倒していくと、特に苦戦もせず、道中を進んでいった。まぁ、大体は、イノさんの一撃で倒して終わりだったけど。
旅は、順調に進むことができ、太陽が真上に上がってきたところで、お腹が空いてきたので、お昼にすることにした。
「お腹がすいたでござる、ペコペコでござる」
「オナカ スイタ」
「ナナさん、料理ができる準備をしましょう」
「そうね、腕を振るって頑張るわ」
ナナさんが、カバンから、テーブルやまな板など料理をする準備しているなか、エドワードは火床を作り始めた。
僕は、バックから、魚を一匹づつ取り出し、その中でも大きな魚を、イノさんの前に投げ出した。
「コレ イイノ?」
「いいですよ、まだあるから、お代わり……」
僕が最後まで言う前に、僕の二の腕ほどありそうな魚を二本の指でつまむと一口で食べきった。
「オカワリ」
僕は、このスピードで食べるイノさんに足りるか不安になりながら、同じくらいの大きさの魚と、小さめの魚を取り出し、ギノさんにも、上げることにした。
「ギノさんも、魚でいいの?」
「僕は、なんでもたべるお」
「@やさいは、くわないじゃない@」
「やさいはきらいだお」
イノさんとギノさんは、同じように一口で食べたが、ギノさんは、ゆっくりと少しづつ飲み込んでいくのが違ってるだけだった。
「ナノさんもどうぞ」
ナナさんが、レタスを数枚ちぎると、ウサギのナノさんの前に出し、こちらも味わうように小さい口で、ゆっくりと食べ始めた。
少しその様子を眺めた後、後ろを振り返ると、ナナさんは、小ぶりの魚のうろこを取り、内臓を洗うと、塩を振り、エドワードが準備した火床に突き刺していった。
「焦がさないように、近づけすぎないようね」
「わかったでござる。
任せるでござる」
僕は、ナナさんに手伝い、野菜をきりながら、スープの準備を行っていった。その間に、ナナさんは、切り身を直火で焼き、臭みを消した後に、厚めに刺身にしていった。
僕は、不要な魚のあらでだしをとった澄まし汁を作ることにし、焼いている魚の火床の上でゆっくりと調理していった。
なんだかんだで、半時ほど時間はかかったことで、ぺこぺこにお腹が減った。全ての料理を、みんなで調理したこともあって、美味しくいただくことができた。




