第325話 イノさんたちの戦闘を聞いてみよう
3人で並んで歩きながら、辺りを見回すとイノさん達は、その場にいず、森の奥から、付いて来てるようで、茂みから音が聞こえ、たまに揺れていた。
「イノさん、一緒に行きましょう」
「そうよ、一緒のほうがいいわ」
「そうでござるよ」
三人で、茂みに向かって話すと、茂みが揺れ、ゆっくりと、ウサギが近寄ってきた。
「@いいの?@」
「町の中までは、無理だけど、道中は大丈夫だよ」
「ええ」
三人で笑顔で、会話をすると、ウサギの奥から声が聞こえてきた。
「ぼく、うれしい」
蛇のギノさんも、顔を出すと、最後にイノさんが、申し訳なさそうに、頭を下げながら、近寄ってきた。
「アリガト」
「いえいえ、旅は道連れよ」
「そうでござる」
僕らは、イノさんを先頭に、ゆっくりと歩き始めると、頭を上げたイノさんが、森のほうに振りむいた。
「タオシテ クル」
「もしかして、敵なのかしら?」
僕らは、三人で集まると、待ったほうがいいのか、追いかけていったほういいのか協議をしていると、あっという間に林の中に消えていき、追いかけることはできなかった。
「どうしましょう?」
「こまりましたね」
「先に行くでござる」
「流石に薄情じゃない?」
「無理はしないでござるでしょうし、
イノさんは、われらより、強いでござるから」
エドワードの発言が普段と違うことに違和感を感じたナナさんの眉間に皺を寄せた。
「また、何か、隠してるわね?」
殺気じみた顔でエドワードを見ると、昨日を覆いだしたのか、頭を両手で防ぎながら薄情し始めた。
「ま、迷子で、帰る際に、モンスターにあったでござるが、
イノさんの一撃で、簡単に倒したでござる」
「まぁ、いいわ。素直に白状したし、朝だし、許してあげるわ」
「相手は、強かったの?」
「見たこともない悪魔系の魔物だったでござる。
あれは、劇強でござる」
僕は、今まで悪魔系を思いなおしてみたが、これといった敵が思い浮かべられなかった。
ってことは、知らない相手かぁ、それは、怖いなぁ。
僕がそんなことを考えて顎に手をあてていると、何事もなかったように、イノさん達は帰ってきた。
「おかえり」
「@ただいま@」
何事もなくイノさん達が歩きだしたので、同じように三人で並んで後ろを歩き始めた。
どんな敵だったが聞いてみると、でっかい樹木だったようで、ギノさんの酸で、溶かしたとのことだった。
「そんなこともできるんですね」
僕は、相打ちをうちながら、イノさん達の底がまるでみえなかった。
特にウサギはどう戦うんだろう?
僕の興味は尽きなかった。




