第322話 3匹にごはんをあげてみよう
エドワードが居たがってる横で、僕とナナさんは、軽く自己紹介し、それが終わるころ、ようやく、しゃがんでいたエドワードが、頭をさすりながら、立ち上がってきた。
「痛かったでござる」
「ダイジョウブカ?」
「イノ殿は、優しいでござるな」
エドワード食べるのをやめた3枚目のステーキをイノさんの前に差し出すと、イノさんは、一口で平らげてしまった。
「ウマカッタ」
「僕の分はないのかお」
サルの顔越しに悲しそうに蛇が顔を出してくると、ナナさんはバックから、小さい生肉を取り出し、円を描くように、投げると上手に空中で咥え、後ろに下がって行った。
「今日、パペットを倒したのは、イノさん?」
僕は、今日の昼に人形を倒した腕がイノさんとそっくりなことに気づいた。
「ソウダ」
「やっぱり!
助かりました」
僕が、お礼をいうと、徐々にイノさんがこちらに向けて歩き出し、近くに座ってきた。
「シバラク、ミテタ」
「いつから見てたの?」
ナナさんも、椅子を持ってきて、イノさんの近くに座り、興味深々のようだ。
「マチ を デテから、だお」
どうみても、肉が大きすぎたのか、外からみても、どこに肉があるかわかるようなギノが返答した。
「もしかして、
敵がいないのも、イノさんが?」
「ソウダ
イッパイ、カッタ」
よく思いだしてみれば、森からの敵より、砂浜に元々いた敵しか、町をでてから、遭ってなかった気がした。
「ありがとう。
おかげで、快適に旅ができたよ」
「@あたし たちが、たおすから、まかしといて@」
レタスを貰ってパンパンになったウサギが、エドワードの前で、あおむけに横たわっていた。
「オレタチ ネナクテモ イイ」
「え、もしかして、警護お願いしていいの?」
ナナさんが、椅子から立ち上がり、食い気味に質問してきたが、安心して寝れるのは、大事なんだろう。
「タダ、ジョウケン アル」
「@けづくろい、よろ@」
「ゴハンくれだお」
「オマエラ、ダマッテロ」
イノさんが、蛇とウサギを一喝すると、シュンとなり、後ろに下がった。
「オレラハ、カミサマ ニ アイニイク
ツキアッテホシイ」
「それは、どういうこと?」
僕らは、この後、イノさんの話をゆっくりと聞いていき、最後まで、聞いていたのは僕一人になっていた。




