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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
320/545

第320話 ウサギに餌をあげてみよう

 僕は、弁当の中にはいっている焼き魚をたべていると、昨日の話を思い出した。

「なにか、森に入ってしゃべるサルをみたって

 いってましたよ。しかも救ってもらったって」

「拙者は、別の話を聞いたでござる」

 エドワードは、ステーキを頬張りながら、口に物が無くなると話始めた。

「どうやら、モンスターに襲われたときに、虎が出てきて、代わりに戦ってもらったって」

 ナナさんは、とんかつを一切れおいしそうに食べながら、

「へぇ~。

 私が聞いたのは、迷子の子ども。

 ギルド職員の娘が森で迷子になった時に、ウサギに誘導されて、森から町に戻れたって話だったわね」

「ちょうど、あんな感じでござるか?」

 エドワードが、向いていた目線の先の茂みに、白い獣の姿が見えた。

「そうそう、あんな感じじゃないのかな。

 え!?」

 僕と、ナナさんは、事態を把握して、驚いている中、エドワードは、気にする様子もなく、肉の塊を食べ始めていた。


「さっきまで、気配はなかったですよね?」

「え、ええ。

 ま、まぁ、いいわ」

 ナナさんは、食べるのをやめると、バックからレタスを取り出した。

「ナナさん、上げる気ですか?」

「聞いてた話では、いいウサギなんだと思うわ」

 椅子から立ち上がり、ゆっくりとウサギのほうに歩いて行った。

「そのウサギとは、限りませんよ」

「大丈夫でござるよ」

 エドワードが適当な発言を行っていたが、僕は、食べるのをやめ、歩き始めたナナさんの様子を見始めた。ゆっくりとウサギに近づき、一メートル手前に所にレタスを置いて帰ってきた。ウサギは、様子を見ているようで、ナナさんが戻ってくるまで、ピクリとも動かなかった。


 よかったぁ。


「あの位の距離だったら、大丈夫だったわ」

「のようですね」

 僕は、安堵し、残っていた焼き魚を食べながら、ウサギの様子を窺ってると、少しづつレタスに近づいて行き、到達するとゆっくりと食べ始めた。

 だが、ウサギには、短い尻尾がなく、何かに繋がっているようで、白い太い線のようなものが、草むらに続いていた。


「ナ、ナナさん、あの尻尾?」

「どうやら、ウサギじゃなかったようね」

 僕とナナさんは、食べるのをやめ武器を取ると、線の先の茂みを集中して観察し始めた。しっかり、みてみると、茂みの奥に、黄色丸のような物が見えた。


「ドウヤラ、ミツカッテ、シマッタヨウダナ」

 太い声が辺りに響き、僕とナナさんが驚いていると、エドワードは、嬉しそうに、3枚目のステーキを食べようか思案してるようだった。

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