第32話 立派なものは、拝んでみよう。
〈ヒビキ、ヒビキったら、
見すぎよ、流石に悪いわよ〉
〈リイナ無理だよ。
目が離せない、離れない。
あれは、呪われてるのかもしれない。〉
〈あほなこと言ってないで、
早く謝りなさい〉
あきれた口調で、
リイナに言われた。
「失礼じゃな、呪われてはおらんぞ。
立派なもんじゃろう。ははは」
結構、豪快な人だな。
「すみません」
ぼくは、そういって、ようやく目線をそらすことができた。
〈ははは、いいのじゃ。
見られることも嫌いじゃないからの。〉
彼女は、笑いながら、体を拭いている。
「おぬしら、なんか困っているようじゃの。
どうした?」
僕は、改めてスイカを凝視しながら、
「ええ、嫌悪のスキルを持ってるせいか、
周りから、邪険に扱われて、
どうにかならないかなって。」
「ふむ」
「おぬしは、嫌悪のスキルはもっておらんな。
嫌悪の呪いがかかっとるんじゃ。
とりあえず、打ち消しの好意のスキルをつけておいたから。
もう、邪険にはあつかわれんぞ」
「へ。あ、ありがとうございます」
僕は、スイカを凝視し、
頭にはスイカしか思い浮かべれないから、
話半分であわせた。
だが、もっとスイカを眺めたい。
話をつなげないといけない。
「呪いなんですか。
どうやれば、嫌悪の呪いはとけるんですか?」
僕は、スイカに話かけた。
「おぬし、目をみて話をせい。
そこについてるのは目じゃないぞ。
まったく。
呪いを解く方法は、三つじゃな。
呪いの特定の条件をクリアする
又は、コモイラージ大陸の魔王に呪いを解いてもらう。
伝説の青竜にあうと、願いを一つ叶えてくれるから、
そこで、呪いをといてとお願いすることじゃ。」
彼女は、最後にスイカを拭きながら、
そういった。
「どんな特定の条件をクリアすれば、
この呪いは、解除できるんですか?」
僕は、スイカを見ることができなくなって、
残念そうにそう聞いた。
「流石に、そこまでは教えられないのじゃな。
仲間に優しくすれば、そのうち、解呪できるじゃろう」
着物のような服をきながら、
彼女はそういった。
服をきてることで、大きさと形が際立ってる。
僕は、また、スイカを拝んでいた。




