第319話 野営の準備を開始してみよう
大きな苦戦せずにバンパイアを退治でき、意気揚々と先を進んでいったのだが、本日の営業は終了したみたいで、
このあと、夕日が沈みかけても、敵に会うことがなかった。
しばらく、のんびりと歩いていくと、草木の茂みが少なく、辺りが開けているところを見つけることができた。
「どうです、今夜は、あの辺で」
「いいわね。
見晴らしもいいから、敵が出てきたら、直ぐに判りそうね」
「ナナ殿がよければ、それでいいでござるよ」
まるで考えてないエドワードは無視することにし、草木の奥の大木を指さした。
「じゃ、あの大木を背に、野営の準備をしましょうか?」
「了解よ」
少し歩き、大木にたどり着くと、エドワードは、さっそく、防具を脱ぎ始めた。その脇で、ナナさんと一緒に火の準備を始めた。
ナナさんの手際の良さで、準備ができ、ベッドロールを二つ敷き、夜に向けての準備を着々進めていった。
すべての防具を脱ぎ捨て、あっさりした下着に変わって、こちらに向かってきた。
「はぁ~、すっきりしたでござる。
何をすればいいでござるか?」
「じゃ、火をつけれるように、木々を拾ってきてね
敵を見つけても、直ぐ逃げるのよ」
「大丈夫でござる。
今なら、防具がない分、倍早く移動できるでござる♪」
軽やかな足取りで森の中にはいっていったかと思ったら、あっという間に姿が見えなくなった。
若干の心配をしながらも、
「奴は、楽しんでますね」
「初めてみたいだから、 楽しいんじゃない?」
会話をしながらも、てきぱきと、二人で、簡易テーブルを組み立てた。
その後、3人分の椅子をを組みたてるナナさんの横で、今日の夕食をバックから取り出し始めた。
「リイナと二人(?)と旅をしてた時は、肉を焼いてたりしてましたが、
人数が増えてからは、弁当しか食べてないですね」
「その時は、一人分だったでしょ。
一人旅の時は、なんでも、いいしね。
火を起こしてまつ間に肉だけ焼いてたんじゃない?」
「すごいですね、よくわかりましたね」
「冒険者では、定番よ。
人数多いと、料理に手間がかかるし、
切ったりとか大変よね」
といいながら、テーブルで野菜やベーコンを切り刻み、鍋の中に水と共に、入れていった。
「そうですよねぇ」
「これくらいでいいでござるか」
両手に抱えきれないぐらいの枯れ木を集めて、エドワードが戻ってきた。
「十分よ、それぐらいあれば、朝まで持ちそうね」
エドワードから、枯れ木を預かり、火場に枯れ木でくみ上げると、魔法で火をつけた。残った枯れ木は、端に山で、積むと、
鍋を火にかけ、スープを作り始めた。
「ご苦労様。
何かほかに出会った?」
「何にも、遭わなかったでござる」
この後、二人で椅子に座りながら、スープをつくっているナナさんを見ながら、周りの様子を聞いていた。
しばらくすると、味見をしたナナさんが、鍋を火から外すと、3人分のコップに注いでいった。
「じゃ、そろそろご飯にしましょう」
「「「いだだきます」」」
僕らは、3人で、宿屋でもらった弁当をあけ、ナナさんのお手製のスープで暖をとることにした。




