第318話 定番モンスターと対峙してみよう
あの後、二時ほど歩いても、獣一匹、モンスターも会うことはなかった。
「やっぱり、今日はあと一回くらいですかね」
「そうね」
「なんか、蝙蝠が森から飛んでくるでござる」
「定番ですかね」
「やっかいね、バンパイア・ロードかしら」
僕は思案し作戦を練ると、ふらりふらちとやってくる蝙蝠がこちらにくるまで、二人に伝え、向かえ討つことにした。
遠目からは、小さく見えたが、蝙蝠は、巨大で、三メートルほどあり、僕の前で、人の姿に変化すると名乗り始めた。
「わがは……」
「魔王呪縛掌!」
既に、砂の下に魔法陣があったが、砂に埋もれていたこともあって、バンパイアには気づかれていなかった。
呪いの手が、バンパイアの顔を残して掴むと、ナナさんが、ヤリで頭部を爆散させた。だが、バンアイアの頭部は、黒い霧となり、直ぐに元どおりになった。
呪いの手が、地中深くに生体エネルギーとともに、爆散させるところで、エドワードがはやつに向けて発破を投げた。
彼は、自分の顔を大きくすると、投げられた発破を体の中に飲み込み、上半身が爆散した。
だが、爆散した上半身は、黒い霧となり、少しづつ彼の体に戻りつつあった。
「探知」
彼の宝玉がどこにあるか探知すると、右ひざにあることが分かった。僕は、杖をしまい片手剣に持ち変えると、宝玉に向けて斬りおろすことにした。
「王佐流片手斬術 獺睡残鳳刃!」
右足を大きく一歩踏み出すと、倒れるように体ごと斜めに切りつけ、袈裟切りの終わりに転がりながら相手の後ろに回った。
一撃は、魔玉を真っ二つにすると、黒い霧は形になることなく霧散した。
「ヒビキ君、素敵だったわ
大活躍ね♪」
「さすがでござる!」
「作戦どおりでしたね」
「ええ、最後の拙者の番は、流石になかったでござるな」
魔玉が切り終えることができなかった場合は、エドワードの3点爆破で木っ端みじんを考えていたが、一歩手前で、どうにか倒すことができた。
「結局、あれは、なんだったのかしらね」
「さすがにわかりませんね」
光の粒子に霧散した後に、ドロップ品として真っ赤な片手剣が、落ちていた。
「なんか、よさげなものが落ちてますね
鑑定」
<<名前:ブラッドソード>>
<<種別:片手剣>>
<<ユニークスキル:生命力奪取>>
<<ユニークスキル:流動体>>
<<価格:???>>
僕は、鑑定結果を二人に伝えると
「なんか、聞いたことないユニークスキルね」
「拙者もでござる」
「でも、判りやすく、呪われてるわね。
装備しちゃだめよ」
「そうでござるよ。
拙者とナナ殿では、解呪できないでござるよ」
「わかってるよ。
簡単には、解呪できそうにないし、教会でもダメそうでしょうし」
僕は、泣く泣くバックの肥やしにすると、再び、3人で、歩き始めた。




