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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
307/545

第307話 カラーズの秘密を聞いてみよう

 各々が一斉に語り始め、いろいろなテーブルが騒がしくなった。

「そうですよ、あの全てを挟んで切り殺すクワガタです!

 怖そうでしょ!」

「違いますよ、そのクワガタをジジジって音波で殺したセミでしょ。

 周りの生き物、全部壊しちゃうんですよ!」

「何言ってるんだ、そんなセミを一瞬で食べた。

 この建物よりでかいワニだろ!」

「違いますよ。

 ワニは、昨日真っ赤なアリの大群が倒してましたよ」

「いやいやいや、

 そのアリは、炎の魔人みたいなものが、辺り一帯を燃やし尽くしてたわよね」

「でも、炎の魔人は、川から出てきた魚と人間が入り混じった悪魔たちに、炎を消され、頭を吹っ飛ばされてたぞ」

「その悪魔は、後ろからきた、タガメに無残に切り刻まれてたなぁ」

「みんな、よく見てますねぇ」

「「「そりゃ、そうでしょ、生活がかかってるんですよ!!!!」」」

 僕の不用意な発言にみんなで突っ込前れると、シュシュさんがにやりとしてから、みんなをいさめた。

「みんな、違うでしょ。

 初めに、ネクロマンサーをどうにかしないと、村からでれないでしょ」

「「「「「たしかに」」」」」

 みんなが同じ認識をするってことは、それだけ、事態が判り易いんだろうか?


 シュシュが、僕を座った目で見つめてくると、優しく教えてくれた。

「村をでる大通りの先の道に、数日前に一匹のネクロマンサーが現れたと思ったら、毎時間一体ずつ召喚して、今は、100体以上のいろんなアンデッドが彼を中心に軍団が形成されてるんです」

「じゃ、村をでた瞬間に、その大群と戦わなきゃいけないってこと?」

「そうなるかと、思います」

「う~ん、

 駄目そうなら、諦めるしかないのかもしれない……」

 僕が、ぼそっと呟くと、隣にいた二人には聞こえたようだった。

「え!!

諦めるんですか?」

「まさか!

 本気じゃないですよね!」

「でも、勝てない勝負は、挑めないですよ」

「失望しました」

 残念ですなど、口々に軽蔑の言葉を発していくと、シュシュさん以外に、僕の周りには誰も居なくなった。

「まったく、ヒビキさんは、正直なんですから。

 そこは、頑張りますとか、全力を尽くしますとか、言っとけばいいんですよ」

「そうですね、

 今度は、発言に気をつけます。

 そういえば、僕に話があるって?」

 シュシュさんが、怪しげにこちらを見つめると、

「ふふふ。

 さて、私は、誰でしょう?」

「えっ、シュシュさんですよね」

「それは、当たり前でしょ、もう。

 誰の姉か聞いてるんですよ!」

 そういうと、更に、いたずらチックな目をしながら、プイッと横を向いた。


 う~ん、姉ってことは、ムラサキさん、みかんちゃんか、モモのどちらかだよね。

 いたずら好きってことは、あの大陸だから、モモってことになるのかな。


「モモのお姉さん!」

「ブー!!

 全然ちがい~ます~

 引っかかった、引っかかった。

 あぁ~、楽しい」

「ち、違うの

 じゃ、みかんちゃんたちの」

「どっちの姉でもないわ。

 私は、しろ姉さん、キィ姉さんの妹で、三人の叔母さんになるのよ」

「叔母さん?

 だいぶ、、三人に年が近いんですね。

 それにしても、

 しろ姉さんとキィ姉さんって誰ですか?」

「しろ姉さんは、モモのお母さんで、

 キィ姉さんは、ムラサキとみかんのお母さんよ」


 これで、結構な色が判ったような気がして、素朴な疑問をぶつけてみた。

「じゃ、金と銀はいるの?」

「当り前じゃない、私たちの父と母よ」

「え、ほんとに」

「冗談よ。そんなわけないじゃない」

「だ、だよね」

「おばあちゃんよ」

「え!?」

「え!?」

「ほんとに?」

「うふふ、さぁ、どうかしらね」

 結局、顔色からでは、ほんとか嘘か判断がつかなかった。

「じゃ、青色は、いるの?」

「いるわ、双子の父が、青よ」

「じゃ、みかんちゃんとムラサキさんの。

 黒はいるの?

「黒は……」

「クロは?」

「おまえだーー!」

「うわぁー」

 最後に大声を出されたことで、思わず悲鳴が漏れた。

 シュシュさんは、その様子を楽し気にし、酒を口に運んでいた。


 最後に怪談噺のようになったのは、なんだったんだろう、

だから、酔っぱらいには付き合いきれない。


 チッ、チッキショー

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