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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
305/545

第305話 赤毛の女性の名前を知ってみよう

 僕は、乾杯の音頭が成功したことにほっとしていると、ギルドマスターが話しかけてきた。

「乾杯の音頭お疲れ様でした。

 それにしても、道中大変でしたでしょう。

 ここに来るまでに、どんな敵を倒してきたんです」

「いろんなですね、貝やトンボとか……」

 どうやら、例えが悪かったようで、反応が薄いのを察した二人が助け舟を出してくれた。

「貝なんて、この建物よりも大きかったでござる!」

「トンボも、頭が私の顔よりも大きくて、しかも、口がギザギザで、怖かったわ」

 ナナさんが、身振り手振りで話すと、全員がナナさんを凝視し、大げさかと思うほどに、驚き恐怖の顔を浮かべていた。

「それを退治するなんて、

 皆さん、お強いんですね」

 町長がお酒を一口飲みながら、相槌をうってくれると、隣のギルドマスターが隣の赤毛の女性をちらりとみてから僕に話かけた。

「そういえば、シュシュ。

 ヒビキさんとお話はしたのかね。

 あんなに、楽しみにしてたじゃないか」

 赤毛の女性が、急な問いかけにギルドマスタ-のほうを向き驚くと、

「もう、ギルマス、せっかく知らないふりして、

 驚かせようと計画してたのに」

「それは、よくないですぞ。

 ヒビキ殿は、この町を救ってくれた英雄なんですぞ」

「それは、そうですけど、町長」

「それはそうと、

 どんな話なんですか?

 僕に話したい内容というのは」

「それは、ですね……」

「ちょっと、ギルマス。

 後で、私から話しますから、言わないでください」

「そうか、話したかったのに、残念だな」

「じゃ、後でってことで。

 楽しみにまってます、シュシュさん」

 とりあえず、赤髪のギルド嬢がシュシュさんということが分かった。


 この後も、どんな旅だったのかを聞かれ、二人に会話を足してもらうことで、時には愉快に、時には恐ろしく話をすることができた。


 みんなが真剣に聞いていたが、一時ほど経過すると、酒が大いにまわり、いろいろなテーブルで最近の話をし始めた。


「では、私たちは、この辺で失礼します。

 お宿は、手配しておりますので、お使いください」

「あと、どんなご要望でも、叶えられるものはお聞きしますので、

 シュシュにご相談ください」

 町長とギルド長が立ち上がり、深々と礼をすると僕たちも慌てて立ち上がり、併せて礼を返した。

「じゃ、シュシュ。

 後は任せたよ。

 迷惑をかけないように」

「大丈夫ですよ、任せてください」

 シュシュさんが、ほっぺを赤くし、酔っているせいか目が座っていたが、その返答を聞くと二人は、酒場から出て行った。


 お偉いさんが居なくなると、ナナさんやエドワードが他のテーブルに連れていかれ、僕の周りもいろんな人が囲んで話始めた。

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