第303話 村に到着してみよう
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200メートル先のところの砂浜に、ゼラチン状の巨大なものが、波の間から顔を出していた。
「次は、あれでござるか」
「そのようね、巨大クラゲにみえるわね」
「僕の魔法とエドワードの爆弾で、処理しよう」
「了解でござる」
僕とエドワードが近づくと、巨大クラゲの触手が水中から伸びていき、エドワードを足から持ち上げた。
「エドワード!」
「魔王呪縛掌!!!」
水中の巨大クラゲの足元の海底から、魔法陣が、紫色の光沢で光始めた。
僕は、右手の掌を開き、下から上にゆっくりとあげると、魔法陣からも、紫色の巨大な腕がいつもどおり、あらわれた。腕は、巨大な巨大クラゲを掴み、エドワードも同様に上に持ち上げた。僕がゆっくりと、下に腕を引いていくと、同じように連動し、海底に挟まった巨大クラゲから、白い幽体引き出された。紫の手と共に地中に潜り、魔法陣とともに幽体は霧散した。
巨大クラゲは、巨大エネルギーを吸われ、小さくなり、エドワードを持ち上げ続けることができず、地面に降ろされた。どうやら、怪我はなさそうだった。
「惣龍飛翔突!」
ナナさんが放った槍がクラゲに突き刺さり、海底にささると、光の粒子にかわり霧散した。
「エドワード、大丈夫?」
「大丈夫でござる。
死にかけたでござる。
ク、クラゲと目があったで、ご、ござる」
「怪我がなくて、よかったわ」
ナナさんが、エドワードを抱きかかえるとエドワードは、がっしりとしがみついた。
僕は、そんな二人を置いて、ナナさんの槍と戦利品を拾いに海に潜って拾ってくると、先ほど乾いたばかりの服がまた頭の先からつま先までぐっしょりと濡れていた。
この後、僕だけが、乾かさないといけないんだなぁ
僕は、深いため息をつきながら海から出てくると、ようやく、エドワードが落ち着きを取り戻して、何度目かの仕切り直しでの出発となった。
この後も、度重なりの強敵との戦闘を数度繰り返し倒すことができ、夕焼けにかかりそうな時間に村に到着することができた。
「へとへとでござるな」
「そうね。
久々に疲れたわ……」
「ギルドに行って、お願いされた品物を渡したら、とっとと宿で休みましょう」
「いい温泉があるといいわね」
「そうでござるな!」
二人の言葉を聞いて、僕らは、人通りがない大通りをぬけ、ギルドに急いだ。
ギルドの前には、連絡をしてもらっていたことで、人が待っていた。
それは、僕が知っている特徴的なシルエットで、今回は、赤い髪だった。




