第30話 助けてくれる人に感謝をしてみよう
泣き疲れて、少し落ち着いた。
「すみません、見苦しいところをお見せして。」
僕は、これまでの町での出来事をはなした。
「いいのですよ、いつでもご相談ください。
そのスキル持ちですと、教会にいっても、辛いかもしれませんね。
それに、いきなりでは、どこも泊まれないでしょう。」
そういうとシスターさんは、少し考えて、
「この先に、露天風呂用のそこそこ立派な小屋がありますので、
そこで、泊ることができますよ。
夜間は、みなさん出かけませんし、
人にあうことも、ないと思います。」
「ありがとうございます。
暗くなる前に向かってみます」
後は、ついてから、どんな感じかみればいいか。
それにしても、シスターさん、いい人だ。
「明日、また、教会にきてください。
泊れるところや、食べられるところを、
何とかしますから。」
「ありがとうございます。
明日、朝一で伺います。
よろしくお願いします」
助かる、とても助かる。
ご飯は、アンリさんがつくってくれたお弁当があるから、
ついたら、小屋で食べよう。
そういえば、こまったら、シャルルさんに
相談しろって、いってたけど、
明日シャルルさんを探すのも、
手伝ってもらおう。
「これ、もらいものですけど、どうぞ。
バックを持っていくのを忘れたので、
重くて。少しもらってくれませんか?」
「いたただきます」
思わず、噛んじゃった。
気を使わせないようにしてくれてるのかな。
やっぱり、いい人だなぁ。
そういって、シスターさんは、
僕にリンゴを2つほど手渡した。
「では、明日。
遅くなったので、直ぐに教会に戻らないといけません。」
そういうと、あわてた様子をし始めた。
「最後に、なるべく、入り口にいるようにしますが、
もし、いなかったら、シャルルに用で来ました
って、伝えてくださいね。
そうすれば、私のところに連絡がきますから」
そういって、シャルルさんは、手をふりながら教会の方に
歩いて行った。
別れ際の笑顔がとても素敵だった。




