第299話 モグラと対峙してみよう
エドワードを二人で小突いていると、ヘラジカがいた奥の林から、土が盛り上がってこちらに向かって何かが迫ってきた。
「何か、来てるでござる」
「わかってるわ。
前に向かって逃げよう」
ナナさんの合図で、3人で一斉に、ダッシュをすると、間一髪で、さっきいた場所に、5メートルぐらいの巨大なモグラが砂浜から、出てきて、地上に降り立った。
「でかっ!」
「また、大きいでござるな」
二人が話し終わる前に、巨大モグラは、地中に戻り砂塵をまきちらしながら、こちらに迫ってきた。
「二人とも、話してないで、
逃げないと」
「「はい~」」
3人で、50メートルほどまた前方にダッシュで逃げると、今回も、ぎりぎりこちらのほうが早く逃げることに成功した。
「目の前に、岩場があるわ」
「あの上なら、下から突き上げらずに、済みそうででござるな」
見ると、小さな岩場があり、周りは砂浜でおおわれてはいるが、三人であれば、岩場の上で過ごせそうだった。
僕たちは、各々で登りやすそうな場所に足をかけ、岩の上に立つと、正面の砂浜の砂が盛り上がっては、沈んでを繰り返し、どこモグラが動いているかは、明確だった。
「エドワード、
あのどかーんってやつで、倒せないの?」
「やってみるでござる」
ナナさんが、エドワードに提案をすると、喜んでバックから一本の発破を取りだし、砂の中のモグラに向けて、投げつけた。
「ひっさ~つ!一角馬殺!!」
深々と砂浜に突き刺さった発破の爆発により、砂のシャワーが辺り一面に降り注ぎながら、巨大モグラの背中が見えたが、一瞬だけ動きが止まっただけで、また地中に戻って行った。
「ぺっ、ぺっっぺっ。
何が必殺よ、かすり傷も与えてないじゃない!」
全身砂まみれになったナナさんが、ぶーたれると、槍を構えて準備し始めた。
「次は、私の番ね、
見てなさい、あんな獣
一撃のもと、突き倒してやるわ!
と、その前に、エドワードさっきの技で、あいつを表に出させて。
おねがい♪」
「連携でござるな!
了解でござる」
ナナさんは、岩の前に立つと、目を瞑り正面に垂直に槍を立たせた。
「いつでもいいわ!」
「了解でござる。
一角馬殺!!」
先ほどと同じように、こちらに近づいてきたところで、発破を投げると直ぐに、轟音が響き渡り、モグラの巨大な姿が現れた。
「惣龍地落王而突!」
ナナは、一瞬で地に伏せるぐらいにしゃがむと、しゃがんだバネをいかし、斜め下のモグラに向けて反動をつけて飛び降りた。




