第298話 エドワードの技を見てみよう
エドワードとナナさんが、50メートルまで近づくと、魔法を解き放った。
「魔王呪縛掌!!!」
巻貝の足元から、魔法陣が、紫色の光沢で光始めた。
僕は、右手の掌を開き、下から上にゆっくりとあげると、魔法陣からも、紫色の巨大な腕があらわれ、連動した。
腕は、掌に巨大な巻貝をのせると、掴み持ち上げた。
僕は、ゆっくりと、下に腕を引いていくと、同じように、巻貝は空中から下に降ろされ、地面と挟まった。巻貝から、白い幽体引き出され、紫の手と共に地中にもぐり、魔法陣とともに幽体は霧散した。
巻貝は、巨大エネルギーを吸われ、人ほどのサイズまで、小さくなっていた。
「初めてみたけど、リィちゃんに負けじと
すごいわね、ヒビキ君!」
「流石でござる!
ナナさん、見てるでござる
今度こそ、拙者が活躍するでござる!」
二人が同じ速度で向かっていき、20メートルくらいまで近づくと、バックからごそごそと準備を始めたエドワードを追い越し、ナナさんが何かしらの技を出そうと数歩前で、構えだした。
「超必殺!!八岐大蛇殺!!!」
エドワードは、バックから発破を指一本づつに取り出すと、まとまった火薬の導火線に火をつけ、巻貝に投げつけた。
どっか~ん!!!! どっか~ん!!!! どっか~ん!!!! どっか~ん!!!! どっか~ん!!!!
巻貝のあたりにばらまかれた発破は、貝を全て爆散させ跡形もなく消し飛ばした。運悪く一本だけ、手前に投げ損ねており、エドワードよりも、前にいたナナは、爆風に巻き込まれ、こちら側まで、ごろごろと転がってきた。
爆散した巻貝があったところには、光の粒子に変わり、空中に霧散した。
「成敗!」
かっこよくエドワードが恰好を付けていると、火薬で真っ黒になったナナさんが、後ろ頭を、槍の柄部分で頭を叩いた。
ゴン!
「成敗じゃないわ!
まったく、巻き込まれたら、私も死んじゃうじゃない!」
「痛いでござる」
僕は、頭を抱えて、うずくまってる彼に近づくと、
「お疲れ。
エドワード、凄かったね。
でも、あれだと、ナナさんも巻き込むんだから、
事前に話しとかないと危ないよ」
「わかったで、ござる」
「ナナさんも、許してあげてね」
「まぁ、いいわ。
今回だけよ。
次は、気を付けるのよ」
煤だらけの顔をエドワードのマントで拭くことで、許すことにしたようだ。
「とりあえず、討伐を喜ぼう」
「だね」
僕たちは、巻貝いたとこに向かうと、奴が倒したであろう無数の宝玉やアイテムが、無残な形になっており、木っ端みじんになっているのを確認すると、二人で、エドワードを何度も膝まづかせた。




