第293話 状況を聞いてみよう
マミヤさんとペテさんを対岸から見送って、振り返ると、高い橋の上からだったため、新しい都市を見ながら、大陸全土を見回した。
都市は、静かな様相で、人気が少なく、セユクーゲとは打って変わって町全体が沈んでいる印象を受けた。
みんなに声をかけ、全員で、下におり都市に降り立つと、まばらな町の人たちの表情は暗く何かにおびえているようだった。
「まずは、どうしようか?」
「酒場で情報をあつめるのは、どう?」
「それもいいかもしれないですね」
ナナさんの提案に乗っかり、昼食を兼ね、近場の酒場にいったが、閑散としておりこちらも、町と同様、活気がなかった。
それでも、数組は、お通夜の状況な冒険者グループがおり、ナナさんが聞きに行った。
「ねぇねぇ
外は、どんな感じなの?」
「あぁ、最悪だな」
「俺たちっていうか、聞いた話じゃ、
歩いてたら、数歩で全滅したとか……」
「いや、俺が聞いたのは、大丈夫だって言って、一歩町を出たら、首が胴を離れてたとか……」
「いやいやいや……」
その後も、噂話だけが先行し本人たちの体験談がでてこなかった。
「駄目ね、尾ひればかりで、ろくな話がないわ」
「そうでしたね」
ナナが聞いてくれている間に注文すると、ここら辺で撮れるであろう名物は軒並み品切れとなっており、簡単なものしか料理は注文できなった。
ナナが、首を振りながら、こちらのテーブルに戻ってきて、残念そうに、今来たばかりのお酒を流し込んだ。
「じゃ、この後、どうしようかな」
「ヒビキ兄さん、ギルドには、行かないの?」
「そっか、それもいいね。
ご飯食べ終わったら、寄ってみよっか」
とりあえず、行く先が決まったので、みんなは、安心して少ない料理の種類をつまみ始めた。ほんの半刻ほどで、全て平らげ、全員が、お腹をぱんぱんにして店をでることができた。
リイナが、お金を払う際に、ギルドの場所を聞いてくれた。
おかげで、彼女の誘導のもと、迷わずに進んでいけた。満腹で、動作が緩慢なみんなはゆっくりと人どおりの少ない大通りを歩いていた。
「ここは、もっと混んでたのかな」
「そうかもしれませんね♪」
アドアは、昼食を食べて、だいぶ体調が戻ったのか、普段と変わらずに、接してくれていた。
か、変わってないよね。




