表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第一部 呪いをとくのは簡単だ
29/545

第29話 辛いときは感情を表にだしてみよう

〈だめだ〉

〈そうね、だめね〉

僕は、途方にくれていた。

リイナも同じ感想のようだ。


教会に入ると、シスターから露骨に、

いやそうな顔をされた。

むしろ、バザーの露店と宿屋の方が、

よかったぐらいに。


それでも、僕は食い下がった

「泊る場所がないんです」

「ここは、宿屋じゃありませんから、

宿屋にいってください」

「食べるものを売ってもらえないんです」

「ここは、商店ではありませんので、

商店にいってください」

「何か、手助けをしてもらえませんか」

「神にいのってください、

他の場所で!」

食い下がらなければよかったと、

感じた。


怒気をつよめて、シスターと言い争いを行ったせいか、

別のシスターさんが出てきた。

僕をみるなり、

「あなたも、ここは神を崇めるところで、

言い争う場所じゃないんです。

他の場所に早く出て行ってください」

「はい、すみませんでした」

どうやら、助けてくれると期待した

僕は、浅はかだった。


とぼとぼと道を歩いていると、

買い物袋をもったシスターさんが、

歩いてきた。


「どうされました?

困っていることがあれば、私が話をききますよ」

シスターさんが、困っている僕を見かねて声をかけてくれた。


この町にはいって、初めての優しい言葉に、

涙がでてきた。

「うぅ」

「泣かないでいいですから、

教会で話をききましょう」

優しい声で、話しかけてくれるシスターさんは、きっといい人だ。


「うぅ、教会に相談にいったら、

話を聞いてもらえずに、

追い出されたんです」

僕は、涙を流しながら、

シスターさんの胸で泣いていた。

「なるほど。

だいたい、判りました。私の友人にも、

嫌悪もちの方がいて、同じような扱いをされて苦しんでました。

いつもやさしいシスターたちがそんな態度をとるには、

何か理由があると思うのです。

きっと、あなたも、嫌悪もちなんでしょう。

思い当たるふしはありますか?」

「まったく、わかりません」

シスターさんの優しさに、

僕の涙は、とまらなかった。

「あんまりなくと、かわいい顔が台無しですよ」

考えれば、リイナのカラダだった。

その横で、リイナももらい泣きしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ