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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
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第289話 魔馬車に乗ってみよう

 宴が終わりみんなで宿に戻り、ベッドに横になるとそもまま眠りについた。


 明け方、エドワードの元気な声で、目がさめた。

「おはようでござる」


 いつの間にか大部屋の真ん中の居間で大声を張り上げ、

全員を一気に目覚めさせ、それぞれが部屋から出ていた。

「おはよう、エドワード」

「おはよう、ヒビキ」

 各々が自分の部屋から、眠り眼で出てきた。

「まだ、アンナが来てないわね

 起こしてくるわ」

 リイナがアンナの部屋に起こしに行き、目が開いてなく肩に頭を寄りかかりながら、

一緒に居間に戻ってきた。

「行こうか」

「あい、むにゃむにゃ」

 アンナが、リイナの肩から、返事とも判らない声を上げたが、それを機に

宿をでてくっつきながら、歩き始めた。


「ペテさん、どこに向かってるんですか?」

 先頭を歩くペテさんとエドワードが同時に振り向いた。

「いいとこで、ござる」

「この先に、国で管理している魔馬車があって、

 それに乗って、セユクーゲに向かうんです」

「なんでいうでござるか!」


 二人がいちゃいちゃしているところから、離れると

二人羽織しているリイナと並走した。

「ヒビキ、よかったわね」

「そうだね、リイナ。

 楽しみだよ」

 リイナの肩の妖怪首だけエルフが、いまだに眼を瞑りながら、

くっついていた。


 その後ろに、風景を楽しみながら歩いているナナさんとアドアがいた。

「アドアは、乗ったことがあるの?」

「私は、王都に来るとき魔馬車できました」

「私もよ」

「そうなんですね、

 じゃ、僕だけですね。

 期待しかありません」

「いいわよね、楽ちんだし、

 揺れも少ないし」

「ですね、風も気持ちいですし、風景も綺麗で」

「そうなんだ」

 僕は、わくわくが止まらず、二人を追い越して、先に行きたがったが、

向かってるのは、山方面で、一向にそれっぽい建物も見えなかった。


 半時ほど山道をぐねぐね登っていくと、厳重に管理しているゲートが見え、兵士が二人で警護していた。

「ペテ様、エドワード様、

 大臣より、話は聞いております。

 こちらに」

 ゲートを守っていた一人が、先導して、トンネルの中を入って行くと、

中には、大きな鍾乳洞のようになっており、大空洞の中に2階建ての建物が建っていた。

「準備はできておりますので、

 お乗りください。

 全員が乗ったら、出発致します」


 建物の中を通り抜けると、10人ほどが乗れそうな赤を基調に作られた

シートで、ほとんど使われていないのか、全てピカピカだった。

「こちらは、王専用となりますので、

 まだ、一度も使われておりませんが、

 今回は、使用してよいといわれております」

「へぇ、ついてるわね」

「名誉なことでござる」

「よかったね、ヒビキ兄さん」

 みんなが、上機嫌で乗ったのはここまでだった。

 

「早いわね、それに、揺れも少ないわ」

「そうなんだ」

 魔馬車は、確かに、かすかな振動しかなかったが、

進んでいる道が、トンネルの中でたまに明かりがついているだけで、

半時もしない間に全員が眠りの中に落ちていった。

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