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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
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第287話 状況を聞いてみよう

 大臣に連れられて四階の奥の部屋入ると、40畳ほどの部屋に4人の人物が腰を降ろしていた。

一人は、魔王バートで、一番奥に座ってエレメールと話をしていた。そのエレメールは、王の斜め前に座っており、楽し気にし、姫の正面にペテさんとエドワードが緊張している様子で座っていた。

「ヒビキ、こっち、なの」

 エレメールが僕を見かけると声をかけ、大臣が隣に誘導していった。

 僕は、みんなに軽く会釈をし姫の横に来ると椅子を引いてくれた大臣に感謝を思いながら座り、リイナ、ナナさんと、三人並んで、席に着いた。正面には、アドアとアンナが、エドワードの隣に席についていた。


 見渡すと、部屋の奥、魔王様の後ろは、巨大なガラス窓でできており、奥に見えるバルコニーの先に、王都の夜景の街並みが綺麗に彩っていた。


 全員が座ると、テーブルにグラスにワインが注がれ、王が口を開いた。

「今日は、我が娘 エレメールのために集まってくれて、ありがとう。

 君たちの活躍によって、娘も無事……」

「お父様、長いなの」

「はい……

 魔王様がしょんぼおりしていると、空気を察して、大臣がグラスを手に取った。

「そ、それでは、みなさん、かんぱ~い」

「「「「カンパーイ」」」」

 全員が、大臣の声を機にグラスのワインを飲み干すと、会が始まり食事が運ばれてきた。

「来てくれて、ありだとう、なの」

「エレメール、よかったね」

「うん、なの」

 僕は、嬉しそうにしている姫と歓談をしていると、廊下から誰かが急いで走ってくる音が聞こえてきた。


 僕と姫は、何事かと顔を見合わせていると、バタンと扉が勢いよく開く大きな音が聞こえた。

「王様、一大事でございます!」


 大臣が、兵士に近づくと

「何事ですか。

 まずは、水を飲んで、落ち着いて、報告しなさい」

「は、はい。

 ありがとうございます」

 兵士は、一気に飲み干すと、ゆっくりと王様に近づいて、膝をついた。

「何事だ?」

「橋が、橋が落ちたので、ございます!」


 大臣が助け船を出しに近づくと

「落ち着け。

 どこの橋が落ちたのだ」

「セユクーゲの大橋です!」

「バカな!

 あの頑強な橋が落ちるわけなかろう」

「そ、それが、巨大なサメが、一撃のもとかみ砕いていきました!」

「ありえない……」

 ペテさんも、驚愕の表情を浮かべていた。他の人も口々に驚愕の表情を浮かべていた、僕以外は。


「それで、サメは、どうなった?

 まだ、海で暴れているのか?」

「いえ、巨大なタコが海上に持ち上げ、頭からバリバリと…」

「なんだと!

 では、タコが海底にいるのか?

 町に、迫ってるのか?」

「そ、それが……

 そのすぐ後、上空から見てた巨大な鷹が、自分よりも大きなタコの胴体を貫き、

 隣の大陸 コモイラージに向けて運んで行ったのです」

 話を聞いてエドワードがつぶやいた。

「今度は、空……

 上空とは、やっかいでござる」

「エドワード、違うんだよ。

 大陸まで、あと一歩といったところに、対岸にヘラジカがいたんだ。

 あの離れた、距離でも、認識できるから、かなりの大きさだ。


 そ、そいつが……

 そいつが、唸ると、空に雷雲が立ち込め、巨大な雷が何本も、大鷲に落ち、奴は、海に沈んでいった。


 ヘラジカは、悠然と山のほうに、帰って行ったんだ…………」


 全員が、話の内容を理解できないでいた。

「いったい、

 何が、起きている、なの」

 全員が、疑心暗鬼にいるなか、僕はリイナのほうを見つめた。

「リイナ、これって、あの時と似たようモンスターだよね」

「どうやら、あれだけじゃなかったようね」

「ヒビキ兄さん、リイナ姉さん、何か知っているの?」

 リイナは、この大陸に来る際の船の出来事をみんなに伝えると、

退治した件を含めて驚愕し、また、二人の経験談から、

この兵士の言っていることが事実だと思い知らされたようだ。


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