第28話 希望の光をみいだそう
〈だめだ〉
〈そうね、だめね〉
僕は、途方にくれていた。
リイナも同じように受け取ったんだろう。
あの後僕らは、町の中心に向かって歩いて行った。
町の中心部には、バザーがあった。
いっぱいバザーを出している人がいて、
いっぱい人がいた。
でも、一つも売ってもらえなかった。
一言目は、だいたい、
「冷やかしなら、帰って」だ。
きて、数分しかたってないのに、このいわれよう。
「これがいくら」って聞くと
「これは、売り物じゃないから、置いて帰ってね」
で、「これください」って直接話すと、
「あなたには、売りたくない」
万事、こんな感じだ。
1軒ならまだしも、10軒以上もそんな感じだと、
げんなりだ。
バザーで買うのを諦めて、バザーを通り過ぎると、
ちらほらと、宿屋っぽい店を発見し、中に入って宿泊の有無を確認すると
「今日は、満室」
「明日も、満室」
「馬小屋も満室」
ってな具合。
余所者に厳しすぎない?
このままでは、泊れないし、
ごはんもたべれそうにない。
って感じで、途方にくれて歩くほど、数時間。
目の前に、ひときわ大きな建物があった。
〈ねぇ、これって、教会?〉
〈そうよ、困ったときは、教会よ。
シスターにお願いするといいわ。
シャルルさんも、いるかもしんないわね。〉
リイナがさっきまで、一緒に困っていたとは
思えないほどの元気な声をだした。
たしかに、教会なら、
助けてくれるに違いない。
僕の足取りも強く、
教会に希望を胸にだき、進んでいった。




