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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
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第278話 間話 ヒビキ離脱 合流日当日 前編

 運命の七日目がやってきた。奈々(ナナ)は、いつものように朝早く起きて、リイナを起こすと、

ほとんどの部屋は使っていないが、入りすらせずに、魔馬車の乗り合い地点に向かった。

「今日も、混んでるわね」

「そうね、ナナねぇ。

 でも、なんとか乗れそうだよ」

 これまでの魔馬車の乗り合いの経験から大体の人数を予想したリイナの予想は正しく、半刻もせずに、魔馬車が来て、直ぐに出発した。

「今まで、一番早い出発だよ」

 リイナが奈々(ナナ)に会話をしたが、奈々(ナナ)は、既に夢の中だった。

 暇を持て余した、リイナは、水晶玉で、連絡をとるも、ヒビキからは、連絡がきておらず新しい情報ははいっていなかった。


 本来なら、昼時に到着予定の迷宮都市 ゾモンラスは、予定よりもだいぶはやく到着できた。

 が、お昼にはまだ早いため、飲み物だけ取りに、酒場に入っていくと、冒険者が号泣して、取り巻きの女冒険者たちが慰めている光景が目に入った。


 リイナ達は、飲み物を口にしながら、聞き耳をたてていると、昨日魔法屋で聞いたような内容だった。


 その内容とは、昨日、ハヤテが行った行為のことだったが、この時はまだ、誰のことかはわかっていなかった。


 ハヤテは、金儲けが順調にいくと、ゴーラリオに声をかけられた。

 見込みありと思ったゴーラリオは、後でこき使おうと下っ端としていれ、食事を提供した。

 目的のない旅をしていた彼らの次の目的地が王都で、金の少ない彼らは、徒歩で向かっていた。


 その道中で、男一人に女3人のパーティを見つけて、ゴーラリオ一向がやっかみ、ちょっかいを出すと、男と一騎打ちで勝負する流れになった。


 取り巻きの女性冒険者が、ユニークスキル ウェポンマスターをもってる彼に勝てるわけがないと話したのを聞くと、

 ハヤテは、一騎打ちの相手として、立候補した。周りは、打ちのめされるハヤテを期待したが、彼には目算があった。

 冒険者と、正面で後ろ向きに向かい合い、10歩進んだところで、戦う流れに誘導が成功した。


 ハヤテは、冒険者後ろ向きになった瞬間、自分は振り返るふりだけで、後ろ向きの冒険者をみた。

 彼の右肩を触り、ウェポンマスターのユニークスキルをゲットすると、当初の予定通り、10歩進んだ。


 冒険者が、以前とは程遠いほどの一撃をハヤテに向けると、簡単にさばき左肩に容赦ない一撃を決めた。

「がぁぁ」

「えっ!」


 取り巻きの女冒険者たち、何事かと理解できなかったが、冒険者は、苦しみながら再戦を申し込んだ。

 その後も、一撃のもと、何度も彼を叩きのめし、彼が立ち上がれなくなるまで、戦い続けると、

流石に女冒険者たちが、彼を止め、一騎打ちは終了した。


 この戦いによって、ゴーラリオの中で一番強くなり、立場が逆転した。

 調子に乗って、自分のユニークスキルをゴーラリオに言ってしまったことが、唯一の汚点となった。


 30人以上の荒くれ物の軍団のため、迷宮都市で宿に泊まることもできず、通過し、迷宮都市と王都の間で野宿をすることになった。

 ハヤテとしては、野宿の経験がなかったため、大いに楽しんだが、思ってた以下の最低の男料理だったことと、硬いベッドロールによって、

期待から失望に変わった。


 そんなやり取りとは裏腹に、ウェポンマスターを取られた彼は、3人の美女に連れられ、迷宮都市に戻り慰められたところに、

リイナや奈々(ナナ)たちが、隣に座ったのだった。


「まただね、リィちゃん」

「うん、なんだろうね。わたしたちも、気とつけないとね」

 最後の一口を含むと、グラスをおいて魔馬車に戻った。リイナ達以外がすでに戻っており、席に座ると直ぐに出発した。


 迷宮都市を抜け、王都がみえる曲がり角に過ぎると、王都から煙が見え、何があったのかと魔馬車内がざわめき始めた。


 王都に近づくにつれ、逃げ惑う人も現れ、町の中も騒然としていた。魔馬車は、そんな様子をみて、いつもの場所に止まることができず、

ゲートの近くで全員が降ろされた。


「リイちゃん、どうするの?」

「ママに言われたとおり、高台を探すわ

 城には、興味ないし」

「あなたは、前にも増してドライね」

 リイナのママ、パトリシアから、リイナを探すために、ヒビキがどこを探すか、聞かれたときに、二人の思い出として、夕日が綺麗だった高台の話をすると、

そこに行くことが高いと、パトリシアはふんだ。


 一番、初めの指示に、そこから見える海の近くで待ちなさい、そのために先に探すように言われのだった。


 理由を聞いても、見つけて、全力で追いかけるときに、あなたのことを思うところが感情を高めさせるといわれたが、リイナには、まったくぴんと来なかった。

 だが、リイナは、今までなんの進展もしなかったことを考えると、パトリシアの言うことに従ってみることにしたのだった。


 高台を見つけ、海を指さすと、

「あのへんだよね、ナナねぇ」

「あそこが、勝負どころね、結果が楽しみだわ。うふふ」

 下卑た笑いをする奈々(ナナ)から、視線を外し、あさっての煙がでる王城をみると、向かっていく一行に、ヒビキやアンナがいるのが目に入った。


「ナナねぇ、あそこに、ヒビキが……

 どうやら、城に向かってるみたい」

「ここからだと、だいぶ遠いけど、よく見えるわね」

「スキル 遠目の指輪を持ってるから。

 じゃ、向かうわ。ナナねぇよろしくね!」

「任せといて」

 二人は、急いで、城に向けていくため、高台から降りて行った。

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