第27話 今日、何をするか決めてみよう
〈まだ、いってるの?〉
もう、一時間くらい、彼女は、文句をいっている。
きっと、リイナだったら、
きもちよく眠ってるケロ吉を放ってるとこだろう。
〈だって、だって〉
半泣きで、抗議をしているが、
今は、僕が体を借りているのだから、
聞く気はない。
彼(ケロ吉)のおかげで、僕らは、生きてるのだから、
恩替えしをしても、いいはずだ。
〈ケロ吉が、いなくなるまで、
飼ってあげるよ〉
〈明日になったら、放流してあげるもん。
って、いうか、何でケロ吉なの。
メスかもしれないでしょ?〉
〈オスか、メスかわかんないし、
吉って顔してるよ、うん。
それとも、判断できるの?〉
僕は、歩きながら、話をしてみた。
〈知るわけないでしょ、
まぁ、名前は、なんだっていいわ。
どうせ、明日には、別れるんだし〉
小さい声で、言っていたが、
彼女に体を返したら、
そうなってしまうのかな。
さらば、ケロ吉。君の明日はどっちだ。明後日にはもどってくるんだぞ。
太陽が真上に来た時には、
山の中腹にある村のゲートが見えてきた。
昨日の夜にみえた、遠くの海側にある町は、
明るいせいか、
確認することはできなかった。
村は、特に柵もなければ、
番人とか門番とかは、立ってなかった。
ここで、通行証がなければ入れないとか、
柵でモンスターが来ないようにしてるとかは、
ないんだね。
門を抜けると、畑がありぽつりぽつりと家が点在してた。
〈村の中心部までは、もう少しあるみたいだね〉
〈そうね、クテリトの村も同じように、畑をしてたから、街並みは似ているわね〉
どうやら、話をかえたら、怒りは収まったらしい。
歩くこと一刻、畑から家が多くなっていき、町に入ったみたいだ。
しばらく進むと畑は完全になくなり、立派な一軒家が多くなった。
時折、看板がある商店も出てき、
それに合わせて人通りも多くなってきた。
ほとんどは、この町の人だね、
思ってた以上、鎧をつけてる人、冒険者は少なかった。
〈冒険者は少ないんだね、
リイナみたいな魔法職っぽい服装の方が多いみたい〉
〈冒険者は、冒険者ギルドのクエストがないと、
お金を稼げないし、
だったら、ダンジョンの方が稼げると思うから、
純粋な冒険者は、普通の村では少ないわね。
魔法職は、錬金だったり、スクロールだったり
生活するうえで、必要になったりするから、
商店の店主として、少しみかけるわね〉
なるほどね、ダンジョンのことも聞きたいけど、
まずは、この後どうするかを相談しないと。
〈リイナ、村についたけど、
まずは、どこにむかったほうがいいの?〉
生きる上で、先輩に尋ねてみた。
〈昨日の夜、ヒビキがいっていた町に
今後は向かうとして、
今日は、早いけど、ここで一泊して、明日の朝は、
向かう方がよいかもね。
そういうわけだから、まずは、泊るところ、宿屋とか旅館とかを
探した方がいいわ。
そのあと、食事がとれるところを探したいわね。
困ったときは、清流教会でなんでも相手をしてくれるわ。
もし、余裕があったら、冒険者ギルドもいったら
情報があるかもしれないわね。〉
少しの質問だったのに、
いっぱいやることが増えた。
まずは、先輩のいうとおり、一眠りできるとこをさがそうかな。




