第267話 祝勝会を開始してみよう
「おつかれ、リイナ」
「おつかれ、ヒビキ」
ここは、王城近くの酒場で、一息をついていた。
僕は、リイナの正面に座り、杖を合わせるようにくっつけると、杖同士が共鳴し始め、光始めた。僕は、あわてて、引き離すと、カバンの中にしまった。
「なんだろ?」
「なんだろうね」
僕らは、顔を合わせて笑いあい、飲み物の注文を行った。
あの後、アドアが、回復に回っていき、全員を回復していった。
ごろつきを牢屋にいれたり、王様を鎖から、外したところで、勢いよく姫様が抱き着いて、全身骨折させて殺しかけたりと、イベントが盛沢山だったが、一、二刻と手伝うと、城の兵士たちも、落ち着き、彼らに任せて、城を後にした。
アドアは、回復がまだ必要だということで残って、アンナも付き合って、手伝うってことになった。
注文をおえると、モモが僕の横にすわり、ナナさんがリイナの横に座って、
小さく祝勝会を先に始めることになった。
「「「「かんぱ~い!!!」」」」
いずれ、みんなが集まって、夜通しの飲むことになるのかな。
「それにしても、いいタイミングで、モモが来たよね」
「そ、そう?
父さんに頼まれて、直ぐに追いかけたのよ。
ちょ、ちょうど、よかったわ」
「あ!
そういえば、シノブさんの件、だましたよね!
おかげで痛い目にあったよ」
「ははは
やっぱり!」
僕の話を聞くと、モモは、けらけらと笑い出し、してやったりな顔になった。
ほかの二人は、ポカンッとしてるため、話を切り出した。
「それにしても、
リイナもナナさんも、絶妙なタイミングでしたね。
おかげで、だいぶ助かりました」
「ねぇ、まぁ、よかったわ
ね、ナナさん」
「うん、まぁあ」
彼女らは、煮え切らないような返事をすると、顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。
「それにしても、ヒビキは、どうだったの?
わたしがいなくて、結構苦労したんじゃないの?」
「そうだね、いろいろ大変だったよ」
僕は、これまでのことを、面白おかしく話をしたが、リイナは笑顔のままで、聞いてくれていた。
途中のモモが出てきたときに、苦い顔になったことから、イヤリングと別れ際のキスの辺りはしないことにした。最後まで、話すのに、一刻かかったが、静かに聞いてくれた。
「ところで、リイナは、どうだったの?」
「じゃ、わたしの話をするわね」
それは、僕の想像を超えていた。




