第265話 一気呵成をみてみよう
「「モモ!!」」
僕とアンナは、彼女をみるとお互いが叫んだことを理解し、顔を見合わせた。
モモは、そんな僕らをみて、笑顔になると、戦いに参加していった。
「あなたたちに、防具なんて、いらないわね!
ハン流渦中爆芯激!」
彼女は、僕の前にいた同胞に、後ろから近づくと、くるりと一回転し、回転の力を利用しながら、脇腹から、斜めに蹴り上げると、食らった彼は、きりもみ回転しながら、僕の脇を吹っ飛んでいった。
彼女をみるために、後ろを振り向いた、もう一人を、僕は近づき、後頭部を杖でたたいて、失神させた。
「モモ、ありがとう!
おかげで、何とかなりそうだよ」
「ヒビキに会いに来てみたら、面白いことになってるわね」
楽しそうに笑顔をみせる彼女は、いつも通りのメイドの恰好に、虹色のメリケンサックを装備していた。
「アンナのほうをお願いするよ」
「わかったわ」
彼女は、アンナのほうをむくと、右手こぶしをぐるぐる回し始めた。
「相変わらず、あなたは、男性を魅了してるわね」
「相変わらず、あなたは、いいタイミングで入ってくるわね」
彼女らは、仲良く会話をしている最中も、右手こぶしが回転速度を上げて、右手を中心に竜巻が出来上がっていた。
「ハン流最大奥義!
昇龍竜巻旋風衝!!」
アンナは、ペテさんを担ぐと、こちらに向かって、飛び跳ねた。
モモが、放ったさきには、で5メートルくらいの渦が前方現れ、、固まっていた男たちを巻き込み、後方の城の壁に張り付いていった。
「わたしを狙ったわね!
ラルールフラワーエンドレスワルツ!!」
ゆっくりと踊るような滑らかな体の動きで、残っている男に近づくと、鎧の合間を突き刺しながら、次へ、、次へと突き刺していき、正面にいた男たちを、すべて倒し切った。
今の二撃で過半数がたおれ、戦線はこちらに一気に優位に傾いた。
僕は、エドワードさんのほうに、助けに行こうと走り出すと、二つの声が聞こえてきた。
「火玉」
「惣龍螺旋突!」
火玉は、ハヤテに向かっていった。ハヤテは、姫に攻撃するところだったが、火炎玉を気にせずにくらった。火玉は、腕を焼き真っ黒に変色し、大剣をおとして、地べたに転げまわった。
「ぎゃやぁ~~~~~!」
みていたゴーラリオは、急いでポーションを取り出すと、ハヤテに振りまいた。
「ぜはぁっ、っく。
た、助かった、ゴーラリオ。
お前たちは、何者だ!」
「ヒビキ、お待たせ、助けにきたよ」
「リイナ」
「リイナ姉さん」
そこには、少し焦ってるリイナと、やれやれといった顔の清楚な中華服のスレンダーな美女がいた。
スレンダーな美女がはなった槍の技は、エドワードさんのところにいた敵に、槍の穂先とは逆がめり込み、その場に、倒れこんでいた。
どうやら、向こうも風向きは、こちらに傾いたようだ。
「リイナ、その人は?」
「私は、ナナよ、ササゲ ナナ。
リイナとは、前に一緒に冒険してたのよ」
「なによ、ナナ。
エルフの廃墟で、おいてったじゃない」
「あとで、拾う予定だったのに、いなくなってたのよ」
「は、はなしは、後にしましょう
とりあ・・・・」
僕が、話すより前に、ハヤテが、リイナに狙いを定めて、突っ込んできた。
一撃は、距離をとって、躱すことができたが、逃げきめの薙ぎ払いは、躱すことができなかった。
ナナさんが、リイナの代わりに前にでて、受け止めたが、剛力の前に、吹き飛ばされ、後方の壁に激突した。直接食らわず、間接的に食らったリイナも、少し先のところで、呻いて転げていた。
そんな、リイナの脇に、ハヤテがやってきて、リイナの頭をもち、立たせた。
「これで、ユニークスキル6つ目だが、関係ない。
俺を傷つけたユニークスキルを奪ってやる」
彼は、リイナの右肩を右手で触った。
「さてさて、どんなスキルなのかな
精密鑑定でみてみるか」
彼は、怒りで興奮しているのか、なんの行動なのか説明してくれた。
これで、彼を攻撃できる最大のスキル、「弱点属性追加」があいつの手にわたり、
逆転の目が完全に消え絶望しその場に膝をおとした……




