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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
262/545

第262話 王様に近づいてみよう

「お父様!」

 エレメール姫がさした視線の先は、偉そうな人は膝で立たされ、殴られた後はあったが、意識はありそうだった。


 彼は、エレメールに視線を移すと、

「エレメール逃げろ!」

 ドガッ!!

 禿げ頭が、彼の腹を蹴り飛ばすと、彼は苦悶の表情に変わり、床にうずくまった。


「馬鹿な!ありえません!!!


 モーリス王は、強固のユニークスキル持ちで、傷つけることすら、困難なはず」

 絶句しているペテさんを蔑むように、禿げ頭の男が馬鹿にし始めた。


「ハヤテ様は、肩を触ることで相手のユニークスキルを奪うことができるんだよ!

 そこで、転がってるのは、何のスキルも持っていないただのおっさんだ、ぎゃはは」

 下品な笑い声をうかべていたところに、ハヤテと呼ばれた男は、持っていた大剣を、禿げ頭の首筋にあてた。


 ジャキッ

 

 首筋からは、薄皮一枚傷ついたのか、ゆっくりと一筋の血が流れた。


「ヒィ」

「ゴーラリオ、しゃべりすぎだ

 まったく、お前は、ほんと使えない」

 一呼吸おくと、満足したのか、首筋の大剣をはずした


「あぁ~、つまらない」

「す、すみません、ハヤテ様」

 早口で謝罪した禿げ頭の額には、冷や汗がどっぷりと流れていた。


 姫様は、大剣を二本取り出すと、軍団に向かって走っていった。

「うるさい、なの!!

 お父様を返して、もらうなの!」


 男たちは走ってくる姫様から、距離をとり、ハヤテまでの道があき、正面までくると、勢いのまま、頭上に必殺の大剣が降っていった。

 

 僕は、この後の惨殺な光景を浮かべると、苦い顔をしたが、

取り巻きたちは、笑ってにやにやしているのが、気に入らなかった。

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