第260話 ダンジョンボスを討伐してみよう
ドアを開けると、5体のオーガがいた。一体は、僕の倍以上の体格があり、立派なマントをつけていた。
残りの四体も銀色の甲冑をつけており、これまでとは、一線を画すことは、判った。
今回は、知識があるのか、何も考えずに突っ込んでくることは、なかった。
「姫様は、まんなかを、あとは、いったいづつ対峙して、離していきましょう」
「わかった、なの」
姫様を中心に、みんなが了解の返事をすると、各地散らばっていった。
だが、そんな心配は、不要だった。
姫様は、走っていくと、片方の大剣を一番大きなオーガに投げると、貫通し、すぐに光の粒子に変わっていった。
残ったオーガに近づくと横に一薙ぎすると、続いて、二体のオーガが鎧ごと、真っ二つになり、光の粒子に変わった。
距離を取ろうとした、オーガに近づくと、頭から一撃を与えられれ、後ろ向きに逃げようとしたオーガには、
もう一方の大剣を投げると、同時に光の粒子に変わっていった。
「楽勝、なの!」
苦笑いの僕をしり目に、彼女は、こちらに振り向くと、Vサインを向け、全力の笑顔を見せた。
「お見事です、姫様」
僕たちは各々に、賛辞をおくると、胸をはって喜んでいた。
一段落し、姫様は、壁に刺さっていた大剣をバックにしまっていき、撤退の準備を開始した。
立派なマントや、鎧などや魔玉などをエドワードが拾っていきながら、奥にある扉に向かった。
扉を開けると、金銀財宝などはなく、魔法陣が一つあるだけだった。
「さて、帰りましょう」
「はい、なの」
全員が掴んだことを確認すると、僕は、魔法を唱えた。
「帰還」
僕らは、光り輝くと同時に、視界がゆがんでいき、
ゆがみが終わったときには、朝に行列だった魔法陣に戻った。
まだ、外は、昼を少し過ぎたくらいだったため、太陽は真上にあり、
日差しが眩しかった。
「この後は、どうするんでしょう?」
「今から王都に戻るのじゃ
魔王様も、首を長くしてまっておられるじゃろうしのぉ」
「そうでござるな」
「ヒビキも、一緒にくる、なの
紹介してあげるなの」
「わかりました。
僕も、仲間の冒険者に会いに王都に行くところでしたから、
ちょうどよかったです。
アドアと、アンナは、どうするの?」
「ヒビキさんと一緒でいいですよ。
リイナお姉ちゃんにも、会ってみたいし」
「そうだよ、アドアも来ればいいんだよ」
「では、姫様、みんなで、王都まで付き合います」
「それで、いい、なの」
僕は、シスターの服をアドアに返すと、片方の腕のない服に
着替えた。
結局、一度も戦闘に参加できなかったな。
姫様を先頭に、街をでると、王都に向かう道に歩き始めた。
「この先を曲がれば、王都が見えてきますよ」
ペテさんが、説明してくれた。
曲がった先には、確かに王都があったが、王城から煙が上がっていた。
何かが起きていることは、彼らの表情からみても、一目瞭然だった。




