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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
254/545

第254話 誰と付き合ってるか名言してみよう

酒場のドアの前まで来ると、アドアを降ろした。

「さ、お姫様、ここまでですよ」

「食事も、膝の上でよかったのに」

 そういうと、彼女は、左手をにぎり、腕を組んだ。


「じゃ、わたしは、こっち♪」

 美女は、右手を握り、腕を組むと、柔らかな感触があった。


 今日は、朝から、一日、骨折したりとひどい目にあったけど、

むしろ、いい日で終わるのかもしれない。


 彼女らは、仲よく扉を開くと、奥では、既にできあがってるドワーフの一団があった。

「おお、ヒビキ殿たちじゃ。

 だいじょうじゃったか?」

 各々が、心配の声をあげていた。


 一応は、心配してたのかもしれない。


 昨日と同じように、奥に座ると、今は、三人が横に並ぶ形になった。

 テーブルには、数々の料理が出ていたが、手つかずの美味しそうな料理が

多々おいてあった。

 宴は、始まったばかりのようだ。


「さぁ、ヒビキ兄さん、あ~ん」

「ヒビキさん、あ~ん」

 僕は、交互に、彼女たちに食べさせてもらっていた。

 美味しい料理が何倍にもおいしく感じられた。


「ところで、なんで、兄さんなの?

「リイナ姉さんの婚約者なんでしょ?。

 一緒に家に来るってことは、そういうことでしょ?」

 彼女は、料理を口に咥えながら、目をらんらんとさせながら、こちらを見つめた。

 僕は、手を離すと、正面のグラスにはいったお酒をのみ、気分を

落ち着かせようとした。


「いや、なんていうか、流れで泊ったというか、

 なんていうか、連れられてっていうか……


 っていうか、アンさんは、リイナの妹なの?」

「そうですよ。

 私は、アンリ・オウサっでっす。

 でも、付き合ってるんで・す・よ・ね♪?」

「いいぇぇ、なんていうか」

 実際に、リイナとの関係性が判らなかった僕は、

なんと答えていいか混乱した。

 とりあえず、近くのワインを飲みほした。


「つまんない」

 彼女は、言葉尻で興味を失ったように答えたが、

表情は、目がらんらんとしてた。


「ユキナ先輩とつきあってるんですか?」

 左のシスターが、更に僕を混乱させた。


「ど、どうしてそうなるの?」

「「だって、ねぇ」」

 彼女たち同士で、視線を合わせ、当たり前だよねといった、

顔つきをしていた。


「ユキナ先輩が子供ころから、書いてた、王子様の絵に

 そっくりなんですから」

「ねぇ」

 彼女達が教えてくれたことも、理解できなかった。

「た、たとえ似てたとしても、

 付き合ってるには、ならないでしょ。


 っていうか、誰とも付き合ってないないよ」

「「じゃ、私が、立候補してもいいですよね」」

 二人の大きな目が僕の眼の前で、ぱちくりしている。


 こまっったなぁ


「だめ、なの

 ヒビキは、私のヒビキなの!!!」


 事態は、どんどんと混沌としていき、

僕は目の前のお酒を飲まざるを得なかった。

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