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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
241/545

第241話 至福の経験をしてみよう

 どのくらい経ったかわからないが、意識は戻ったが、

痛さのあまり、ピクリとも、瞼すら開くことができなかった。


 がらがら……


 ドアが、開く音とともに、走ってくる音がした。



 ドタドタドタ……


「ヒ、ヒビキさん、大丈夫ですか!」


 必死で薄目をあけると、美少女が心配そうに、僕の顔を覗きこんできた。

 息も絶え絶えな僕は、涙目で訴えるしかなかった。


「す。すぐ回復しますから、待っててください。


 回復(ヒーリング)!」


 僕の体をあたたかなや柔らかい粒子に囲まれると、

背中の痛みが取れていった。


 す~は~、す~は~、                 

 さっきまで、背中の痛みが強すぎて、深く息ができなかったんだよなぁ。


 近くのイスに座って、呼吸を整えた。


「それにしても、何があったんですか、

 肩から腰に掛けて、真っ青な太い傷がついてましたよ!」

「ちょっと、背中を流してもらう際に、じ、事故があっただけだよ」

「事故っていうレベルではないですけど・・・・


 洗ってもらいたいなら、私が、背中をあらってあげましょうか?」

「い、いや、だ、大丈夫だよ」

 僕が否定をしようと、後ろを向くと、何もつけていないマナイタと目が合った。

 慌てて正面に顔を戻すと、背中に、ぬれた布の感触があった。

「昔は、こうやって、みんなで、背中を流したもんです。

 最近は、アンちゃんが一緒にはいってくんないんです……

 今朝だって……」


 流石に年をとったら、お兄さんも一緒に入るのは遠慮するかもしれないよね。


 どうやら、話しながらで背中を、洗い終わったようだ。


「それにしても、ヒビキさんの背中は、大きいですね」


 ピタッ……


「ィ、ひやぁ~」


 耳元で、囁くようにつぶやかれた。それよりも、背中にはマナイタと二つの点の感触があり、密着したことに驚いて、声を出してしまった。背中に意識が集中しているせいか、アンドレアの鼓動が聞こえた気がした。


「もっと、やった方がいいですか?」

「け、けっけっ、結構です」

 僕は、思わず声が裏返ってしまった。


 マナイタが離れて行くと、温かみがなくなり、背中にひんやりと風が吹くと、

寂しさを感じた。


「今度は、わたしの背中をあらってくださいね。

 私もあらったんだから、いいですよね?」

 後ろを振り向くと美少女シスターは、体を洗う準備をしていた。

 こちらに振り向こうとするので、慌てて了解の返答をした。

「うん、わ、わかったよ。

 だ、だから、振り向かないでいいよ」

「は~い」

 彼女は、元気な声で返事をすると、こちらの意に関せず、右腕から、洗い始めた。

 僕は、布にお湯をぬらすと、真っ白な小さな背中をやさしくこすり始めた。

「ぅふ ふ~ん、上手ですよ、ヒビキさん」

 僕は、もう少し力をいれようと、左手で()を掴むと、右手に力を込めた。

「ひやひゃひゃひゃ~。

 ヒビキさん、脇は駄目です。脇はやめてください。イヒヒイッヒ」

「あぁ、ごめんなさい」

「うふふ、許してあげます」

 彼女は、温泉からお湯を掬うと自分の体にかけた。

 何回かお湯をかけたら、こちらに振り向き、

僕の腕を組んで、奥の庭に向かって、引っ張っていった。


 腕から、彼女の体温を感じるとまた、心臓が高まるのがわかった。


 一番奥深くに、仲よく浸かると、彼女は、寄っかかてきた。

 彼女は、僕の肩を枕にして、外を眺めていた。

 彼女は、窓の方を指さすと、

「ヒビキさん、見て下さい。外に白いかわいい子がいます」

「そうだね」

 僕は、ちらりと彼女みると、かわいらしい顔がみえ、確かにその通りだと思った。


 彼女は、僕の視線に気づいたのか、上目視線でにこりとほほ笑まれると、

壮大な鼻血をだして、ぶっ倒れた。


 温泉につかり過ぎただけだよね、きっと。


 既に視界は真っ暗になり、温泉に仰向けに、ぷかぷか浮かんでいるだけだった。


「ひ……び…………き…………ん………だ…………ぃ


 …………あ………ん……………ん………た………す……………」


 彼女の叫び声が遠くで、聞こえたが、頭と視界は、正常に働かなかった。

 しばらく、すると、頭には、やわらかい感触があり、あまりの気持ちよさのため、そのまま、眠りについてしまった。

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