第236話 再度通信をしてみよう
ギルドにきてみると、パーティは、ほぼ居なくなっており、
がらっとしていた。
受付のお姉さんの列も二組ぐらいしかなく、
すぐに、僕の番になった。
「さきほどの方ですね。どうされました?」
「また、通信したいんです」
「いいですよ。営業の終了時間がきたら通信終了になりますけど、
いいですか?」
「わかりました」
まぁ、しばらく、通信できなくなる旨を話すだけだから、短くても 大丈夫かな。
先ほどと同じように、お姉さんに着いて行き、通信室に入った。
「前回と同じ町ですか?」
「はい」
「わかりました」
彼女は、グローレットの町につなげやり取りをすると、僕と席を替わってくれた。
「ヒビキくん、どうした?」
「ええっとですね……」
僕は、先ほどまでの流れを説明し、しばらく通信できないことをつなげた。
「わざわざ、ありがとう。
ダンジョンは、危険が付きまとうから、
気を付けて進んでくれたまえ」
「はい。わかりました」
「オオストラトっていったっけ?」
「はい」
「もしかして、ドワーフだったか?
「ドワーフ?」
「まぁ、小柄で、筋肉質のひげもじゃだったか?」
「ええ、小柄でひげもじゃでしたね」
彼は、天を仰ぐと再び僕の方を振り向いた。
「まさか、なんてことだ。
姫様は、いたか?」
「ほかの方とは、これから、紹介してもらうことになってるんです」
「だから、前金か!
ヒビキくん、よく聞きたまえ」
彼が話しかけると同時に通信室のドアが開いた。
「はい、冒険者さん、終了で~す。
本日の業務時間は終了となりましたので、
通信をやめてください」
「はい、わかりました」
僕は、振り向くと、仕事終了がうれしいのか、笑顔だった。
再度、水晶玉に振り向くと、
「オーサさん、じゃ、しばらく連絡できないと思いますが、
心配しないでください」
「ヒビキくん、待ちたまえ、重要なことな……」
彼の発言はすべて話すことはできず、お姉さんは通信を終了した。
「あとは、貴方だけですよ。
ギルドを占めますので、出てください」
あたりを見回すと、確かに誰もいなかった。
お姉さんと一緒に、ギルドを出ると、あたりは夕焼けから夕暮れに変わるところだった。
「お姉さん、この後一緒に食事しませんか?
一人だとさみしくて。
「いいわよ。付き合って、あげても、その換わりおごりだからね」
僕の誘いで、お姉さんは、嬉しそうにほほ笑んだ。
「はい。判りました。
このあと、冒険者パーティを紹介してもらうんですが、
そのあと一緒に食べましょう」
「あら、冒険者パーティに入れたんだ。
よかったわね。
そうそう、私は、ミーアっていうの」
「僕は、ヒビキです」
自己紹介をしながら、僕の先導で、先ほどの店にはいると、
酒場の真ん中に、オオストラトさんがいた。
僕を見つけると、立ち上がり声をかけ手招きをしてくれた
「ヒビキどの、こっちじゃ」
「ヒビキくん、もしかして、あそこのパーティにはいるの?」
「はい、オオストラトさんのパーティに誘われました」
振り返り、彼女をみると、あからさまに顔が引きつっていた。
先ほどまでの笑顔と対照的だ。
「ちょっと、用事を思い出したわ。
じゃ、ヒビキくん、頑張ってね」
彼女は、僕の返事も聞かずに、扉をしめて、いそいそと去って行った。




