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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
230/545

第230話 二人の戦いをとめてみよう

 二人のいがみ合いから発生して、半時ほどたった。

 ギャラリーが一人二人と増えていき、今では30人ほどが

どちが勝つか負けるか、見守っている。


 最初は、にらみ合いでスタートした戦いも、

技の応酬にかわり、お互いの決定打が無くなってくると、

足を止め、交互の顔面の殴打に変わった。


 すでに、どちらも顔の原型はとどめていない。

 

 15分ほど泥仕合が続くと、ギャラリーも飽きたのか、

散り散りに去って行った。

 

「そろそろ、しんどけ」

「おぬしこそ、しね」

 がご、ぼごなど、食らいたくない擬音が聞こえてきたので、

そろそろ、止めにはいることにした。


「お二人とも、そろそろ、やめて、飲みにいきましょう」

「「うっさい、ぼけ」」


 ずが、どか

 彼らのパンチを右目と左ほっぺに食らっった。

 あまりの攻撃に、10メートル以上後ろに転がるように吹っ飛んだ。

 

 殴られたところは、三倍にふくれあがり、右目はほぼ見えなくなった。

 痛みでその場に転げまわっていると、

 10分ほど、時間が経過していた。

 その愛でも、壮絶ななぐりあいが続いたが、先ほどよりも、殴るペースが落ちてきた。


 僕は同じようにちかづくと

「そろそろ、やめませんか?」

「「しつこんじゃ、ぼけ」」


 ごき、ぼこ

 今度は、左目と右ほっぺを殴られた。

 先ほどと同じように、10メートル以上転がると、

転がった先には、だれかの足があった。


 残念ながら、両目とも塞がり誰の足か確認することができなかった。

「ひどい傷ですね、ヒビキさん」

 彼女の憐れんだ声が聞こえたかと思うと、何かの薬が振りかけられた。

 

 とたんに僕の傷は治っていき、誰が声をかけてくれたか、

スカートの中身と共に、確認できた。

「ディアナさん!

 ありがとうございます」

「いいえ。どういたしまして」

「どうして、こんなところまで」

 僕が下から問いかけると、見られていたのを気づいたのか、

少し距離をとった。

「通信費をもらうのを忘れたので、

 そういえば、ハンさんと会うって思い出して、ね」

「あぁ、そういえば、そういう会話をギルド内でしましたね。


 ところで、使っていただきました、ポーションは、いくらでしょう?」

「金貨一枚と大銀貨一枚ですが、

 スカートの中を見たので、金貨2枚ですが、

 払えますか?」

「大銀貨4枚しかないです……

 ごめんなさい」

「じゃ、通信費の大銀貨1枚でいいわ。

 ポーション代は、二人からもらうから。

 それにしても、厄介なのに巻き込まれてるわね」

「そうなんです。

 止めれますか?」

「無理よ、あんな怪物たち。

 明け方まで、やりつづけるんじゃない」

「はぁ」


 僕は、三度彼らに近づいたが、距離をおいて話しかけた。

「いい加減やめましょう。

 いい大人なんですから」

「「うっさい、ぶっころすぞ」」


 三回目のパンチは、空をきった。

 

 流石に、少し離れれば、あたるわけがなかった。

 

「いい加減やめないなら、強制的にやめさせますよ。

 いいですか?」

「「くそがきが!とめられると思うな」」


 次のパンチも空を切るのを確認すると、

訓練場から、外に出た。


「ディアナさん、危ないから、後ろにいてください。

 二人の頭を冷やします」

「いいわ、お手並み拝見するわ。

 できたら、見たことをなかったことにしてあげるわ」


 僕は、後ろを向いて、にやってすると、魔法を唱えた

氷の壁(アイスウォール)


 それは、訓練場を囲むように円を描くよう3メートルの高さで、発動させた。

「囲んでどうするの?」

「ふふふ、こうするんです」


ウォーター


 僕は、今日のお昼にやったように、激流を訓練場に注いでやった。

 10分ほどたつと、彼らのおなかぐらいまで、水が溜まり

事態を把握し始めた。

「ヒビキ、もうやめるのじゃ」

「ヒビキ君、いまためるなら許してあげるよ」


 だが、それとどうじに、ぼくも、なにもかんがえられなくなった

 

「ふふふ、ヒビキ君は面白いわね。

 お姉さんも協力してあげる」

 

 かのじょはバックからオレンジいろのびんをとりだすと

ふりかけてくれた。

 多分魔力を回復するポーションなんだろう、

僕の思考が徐々にクリアにされていった。


「すっごく高いマナポーションよ。

 あとで、二人に合わせて請求するから、

 続けていいわよ」

「ありがとうございます」


 さらに、続けざま

ウォーター

を放ち、並々までそそぎ、溢れるまで、続けた。


 氷の壁の反対側からは、二人の悲壮な顔が見えた。

 

「もう、頭は冷えましたか」

 二人揃って、こくこくと頷いた。


「声が聞こえないですね。

 やっぱり反省の色がないと思うんです!」

 二人、泣きそうな表情を浮かべて、クビを振っていた。


「ヒビキ君、そろそろ助けてあげないと

 死んじゃうわよ」

「そうですね。そろそろ反省したと思いますから、

 助けてあげることにします」


炎の壁(ファイヤーウォール)

 僕は、海側にあった氷の壁に這うように、炎の壁を出すと、

氷の壁は、直ぐに溶け水に変わった。

 溶けた水と訓練場にたまっていた水によって、炎の壁も沈下し、

周りには、暖かい水蒸気と一生懸命息をすっているおっさんだけが残った。


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