第23話 お風呂にいってみよう
僕は今ベッドに座って、考えている。
あれから、少し時間がたっている。
あの話の流れで、リイナが断れるはずもなく、
二人は、今、お風呂だ。
きゃっきゃいってるに違いないオフロ。
当然、近づいたら、絶交、
覗いたら、絶交とかいわれて、
この部屋から、一歩もでちゃだめっていわれているオフロ。
だが、しかしだ。
話を聞くだけなら、
居間にいくだけなら、ばれないんじゃないかと思うオフロ。
なんだったら、うっかりお風呂場にいっても、
本当のところは、喜ぶんじゃないかと思うオフロ。
そんなことを、ベッドの上ですわりながわうんうん
一人で考えている。
〈ヒビキ、心の声がだだもれよ。
しょうがないなぁ、
そんなにみたいなら、一目だけなら、いいって、
お姉さんがいってるわ〉
僕は全力で、お風呂場にいった。
あぁ、わかってたよ。
もう着替え終わってなきゃ、
こんな会話がくることなんてないよね。
がっくりし、膝を地面につけて、
なげいていると。
「ふふ、ひっかかってる。見せるわけないでしょ」
勝ち誇ったような表情で、こちらを見てるリイナがいる。
「私は、見せてもよかったんだけど、
リイナちゃんが絶対ダメってきかないのよ」
少し困ったような表情をうかべているあんりさん。
「いいのよ、アンリさん。
ヒビキに見せる必要なんてないんだから」
少し怒っているようにもみえる。
見せたって、減るもんじゃないのに。
「アンリさん、少し早いですけど、
横になります。さっき。話したとおり、
明日は、アンリさんのお仕事を手伝ったら、
旅に出発します。
ヒビキの体も見つけなくちゃいけないですしね」
そうか、えらいな、リイナは。
僕が、おふろおふろっていってたときも、
ちゃんと、今後を考えて、アンリさんと相談してたんだから。
何も考えてない僕のことを怒ってるんだな、
リイナに任せっぱなしで、少しだけ反省しなきゃ。




