第223話 魔法を唱えてみよう
さてと、目的先は、シュンセルっていう都市だったっけ。
モモの話では、一日がかりっていってたっけ。
道なりに、進む先をみると、左手には海が広がり、
正面から右手にかけて、小高い山がつづいている。
あの山を越えたら、町があるのかな。
信じて進むしかないかな。
道には、誰も、いなかった。
徒歩で、シュンセルに向かう人はいないのかな。
馬車がこちらですれ違うなら、お昼を過ぎたくらいからかな。
歩きながらやることはないかと考えて、
魔法の練習でもしようかと考え始めた。
よく使うのは、火玉で
っていうか、それと、二度と使うことのない氷玉。
とりあえず、歩きながら撃てるか試してみる。
「火玉」
海に向かってうつと、頭ぐらいの大きさが、水平線に消えていった。
「氷玉」
同じように歩きながら撃つと、イメージするのは、
火玉比べて、時間がかかった。
う~ん。
イメージする練習したほうがいいのかなぁ。
他に、知ってる魔法ってなんだっけ。
僕は、リイナが使った魔法を思い出してみた。
使い方が間違っているであろう氷の壁、
後は、魔王戦で見た雷の矢か。
船で見せてくれたよくわかんない魔法かぁ。
流石に、使える感じがしない。
後は、風と水かぁ、
戦闘では約にたたないのかなぁ
僕は、立ち止まると、氷の壁のイメージを固めていく。
集中して、ずいぶんとかかると、ようやくイメージが固まった。
「氷の壁」
僕の目の前に身長程で自分と同じくらいの太さの氷柱が10メートルくらい現れた。
しばらくすると、海の波にさらわれ、砕けて溶けていった。
今度は歩きながら、魔法をはなつ練習をしてみる。
幾度か失敗したが、一度成功すると、失敗しなくなった。
今度は、高さや長さを変えて、放ってみる。
どうやら、マスターしたみたいだ、思うような形で放てるようになった。
次は、雷の矢を試してみる。
歩きを一度止めると、氷の壁のように、
雷の矢のイメージを固めていく。
「雷の矢」
海に向かって、魔法を放つと、雷の形の矢が100メートル先の海に沈んでいった。
リイナのに比べると、圧倒的に遅くてしょぼいな。
何かに使えるようになるんだろうか。
氷の壁のように、歩きながら撃てるように訓練する。
しばらくすると、太陽は真上にあがり、お昼にちょうどいい時間のようだ。
まだ、歩きながらの魔法は成功してなかったが、お昼にした。
座って、食べれそうなところを見つけた。
そこは、木陰が広く平坦で、足を下ろして、休めそうだった。
そこまで歩くと、腰を掛け、鞄からモモが作った弁当をとりだした。




