第211話 どのくらいお金があるか確認してみよう
階段を下りながら、モモさんは、ふと話かけてきた。
「そういえば、お金がかかります」
「え、かかるんですか。
そうですよね。
でも、そんなに持ち合わせはないです」
僕は、お金をどんだけ持っているか、思い出してみると、
ユキナから借りた大銀貨、八枚しかもっていない。
足りるのだろうか、そんな心配をしていると
「大銀貨1枚ですけど、大丈夫ですか?」
「あ、はい。じゃ、これで」
僕は、バックから一枚とりだすと、手渡した。
「はい、確かに、受け取りました」
大銀貨1枚、受け取ると、エプロンのポケットにしまい込んだ。
階段をすべており、またホールに着くと、モモさんは、
こちらに振り向いて、話始めた。
「ヒビキさんは、この後、どうするんです?」
「買い出しにいって、昼食をとって、出発しようかと思います」
モモさんは、少し間をとり、考えてから話始めた。
「じゃ、途中で野宿ですね。
一人ですけど、大丈夫ですか?
危険ですよ」
「大丈夫です。すっごい便利な毛布が……
ありませんでした……」
そういえば、あれはリイナのもので、お古は、ユキナさんにあげたんだった。
買わなきゃ、いけないものが増えたなぁ
「では、ここで一泊して、朝出発すれば、
夕方には隣町に向かえますよ」
「じゃ、そうしようかな。野宿の道具が安ければ、
出発しようかな。ちょっと、みてみます」
「そうですか、それがいいかもしれませんね」
「では、ありがとうございました」
僕は、少し離れて、深々と一礼をした。
「もし、よければ、お昼一緒にしませんか?
お昼ぐらいにば、仕事もひと段落できますし、
どうです?」
「ええ、喜んで。
ぜひ、お願いします」
「ふふふ。じゃ、またあとで。
買い出しで、回ってきてから、
このギルドの前で待っててください」
「わかりました。じゃ、あとで」
僕は、笑顔で彼女を背に向けて、ギルドを出て行った。
彼女は、笑顔で、こちらに向かって手を振って見送ってくれた。




