第21話 小屋の周りを見てみよう
外は、真っ暗だった。
星明りがあるけど、
ほとんど何もみえなかった。
ぼんやり遠くに小屋みたいなものがあり、
さらに奥に森があった。
あの辺なのかな、僕が倒れてたところは。
よくあんなところから、助けてこれたよね。
大変だったろうな。
上空にいって360度見回してみると、
階下のほうに、明かりがあった。
あっちの方角に村でもあるのかな。
さらに、ずぅっと遠くに明かりがあるから、
あそこにも、町とか村があるのかな。
ここは、結構な高台なんだなぁ。
僕は、ここが山の上にあることをようやく知った。
そんなことを考えながら、家に戻ると、
食事の準備をほぼほぼ終わり、
鍋を煮込んでる状態だった。
〈もう準備は、終わったの?〉
〈当り前よ、二人で作ったんだから、
はやくて、うまいにきまてるわ〉
うまいかはわからないが、
早くできたのは、わかった。
「リイナちゃんが、手際がよくて
助かったわ」
「そんなことないです」
今日のお昼よりも少し打ち解けてるような気がした。
「料理を準備してるときに、
二人の話や、自己紹介をしといたわ」
なるほど、道理で名前を知ってるわけだ。
思っていた以上に、リイナは、説明が上手なのかもしれない。
短い時間で、料理を作りながらとは。
「それにしても、二人とか。
お姉さん、まだ、話半分な感じ。
ヒビキちゃんは、そこにいるの?戻ってきた?」
〈はい、帰ってきました〉
僕は、明るく返事をした。
〈聞こえるわけないでしょ〉
普通にリイナにダメ出しされた。
「帰ってきてます。そこで、ぷかぷかしてます」
お姉さんは、見えないのか、あちらこちを見回している。
しばらくきょろきょろしていたが、
鍋がいい感じに煮えたみたい。
「さぁ、ごはんにしましょう」
「は~い」
今日は、鍋物とサラダみたい。
美味しそうだ。
カミュはあいかわらず、刻んだ生肉をもらってる。
カミュの頭の上で、変わった生き物が、肉を狙ってる
あいつは、なんなんだろう。




