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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
209/545

第209話 ナルコルから、連絡をとってみよう

 階段を上がり、二つ先の一室に連れていかれた。

 そこには、女性が二人おり、中央には、大きなテーブルがその周りを囲むように、10数個の水晶玉が置いてあった。


 二人いたお姉さんの一人が、こちらに気づくと、近づき声をかけてきた。

「あら、モモさん、今日は、どうしたの?」

「ええ、この方、ヒビキさんというんですけど、

 冒険者さんと逸れたらしいんですけど、

 なにか、連絡きてませんか?」

「そう。ケンス、何か連絡きてる?」

問い合わせられたお姉さんは、近くにあった束をペラペラとめくった。


「ヒビキさん宛のものは、ないわね。

 ごめんなさい」

「いえ。そうですか……」


 残念な表情が顔に出したせいか、モモさんが話掛けてくれた。

「出発した時の町に何か残してあるかもしれません。

 聞いてもらいましょう。」

「うん、そうだね」

 僕は、モモさんの方を振り向くと、彼女は、女性に問い合わせてくれた。


「アクセさん、グローレットの町のギルドに問いあわせてもらっていい?」

「いいわよ。ヒビキさんで、聞いてみるわね」


 ドアの付近にいた、彼女は、テーブルを反時計周りに進むと、3つぐらい先の水晶玉の前に座った。僕とモモも彼女の後ろに、付いて歩き、座った後ろから、水晶玉を見ている。


 彼女は、座って目をつむり幾分か経つと魔法を唱えた。

 「連結(コネクト)

 声と同時に、少しづつ水晶玉に風景が映し出されていく。

 その映し出された風景は、この部屋と似たような作りの部屋の様子のようで、

水晶玉には、徐々に明確に表れ、最後は、中央のお姉さんが、現れた。


「こんにちわ、どうしました?」

「ヒビキさんという冒険者に連絡はありますか?」

「ええ、待ってました。特別に、直接切り替えるよう指示されておりますので、

このまま、お待ちください」

 水晶玉は、部屋が映し出されていたものから、灰色に変わっていった。


 お姉さん達とモモさんが、顔を合わせると、会話を始めた。

「めずらしいですね」

「そうですね、王都ではよくあることですが、

 商業都市で、冒険者がってなると、聞いたことがないですね。

 ケンスはある?

「私もないですね」


 僕も会話に参加した。

「珍しいことなんです?」


「そうですよ、ヒビキさん。

 そもそも、この水晶玉をもってるところ自体が少ないのに、

 一介の冒険者の名前だけで、

 ギルドが特別対応に応じるなんて、

 もう、何がなにやらですよ」

「しぃー」

 モモさんの話を遮るように、水晶玉に風景が映し出されてきた。


 後ろからのぞき込むと、水晶玉には、フードをかぶった女性らしき姿が

映し出されていた。

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