第208話 もう一人のカラーズにあおう
水上都市と同様に、ギルドで走り回っている、ピンク色の職員を発見した。
「ピンクさん、すみません」
「私は、モモです。っていうか、あなた失礼でしょう。勝手に名前を付けるなんて」
「すみません、ムラサキさんと、ミカンさんに体形がそっくりだったので」
年、背格好、顔も似ている。髪の色だけが違うだけだ。
実際には、目じりが二人より下がっており、やさしそうな雰囲気を出している気もする。
「彼女たちは、いとこです。まったく」
怒っている仕草をみると、ムラサキさん、そっくり。知らない場所で、
知っているっぽい人に会ったから、顔がほころぶ。
怒られているにも関わらず、心の枷がとれ安堵した。
「ヒビキといいます。ちょっと相談に乗ってもらいたいのですが……」
「あぁ。あなたが、ヒビキさんですね。
ムラサキがス……ゴニョゴニョ
ムラサキがお世話になったそうで、
よろしくって、手紙にありました」
「そうなんですか、元気かな。
体を取り戻して、連絡できてないんですが、
元気でいてくれてるといいです」
「彼女とは、何か合ったときやり取りをしてるので、
後で、書いておくりますよ。
きっと、悔しがりますよ、ウフフ。
そう思うと楽しみでしょうがありません。
それはそうと、なんの相談でしょう?」
「実は、一緒にいた、仲間とはぐれまして。
このギルドから、大陸に来たときの町のギルドに連絡がはいってないか、
確認したいんです」
少し、考えるように人差し指を口にあてている。
「リイナさんか、ジーンさんですか?はぐれたのは」
「リイナです。一緒に冒険に出たんですが、嵐にあって……」
僕は、事の経緯を軽く説明すると、
モモさんは、すこし、残念そうな顔をし
「それは、災難でしたね。
ですが、通信は、ギルド職員、
または、大商人や王室関係者しか、使えませんよ」
自分が使えないことが分かったため、
僕は、残念な気持ちになり、うつむいた
そんな様子をみたモモさんが、僕の腕と自分の腕を絡ませ、
二階がある階段の方に、嬉しそうに進み始めた。
「さぁ、通信室は、こっちですよ。
ヒビキさんは、ムラサキの思い人なんですから、
特別ですよ。
普通の冒険者のリイナさんが、使えていないかと心配したんです」
「あ、使えるんですね、ありがとう」
僕は、悲しさで、最後のリイナが使えていないしか、
耳に入って、いかなかった。
何かを聞き逃した感じがしたけど、気のせいだろうか。
僕は、連絡ができることに喜び、
連絡が来ていることを祈ると、モモさんと階段を登った。




