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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
203/545

第203話 看病をしてもらおう

 いたたた。

 目が覚めたら、頭が痛かった。どうやら、どこかで、頭を打ったみたいだ。

 

 まだ、雨粒が聞こえているところをみると、嵐は過ぎ去っていないようだ。

 だが、体は、ぬれている感触がなかった。

 

 僕は、目を開けると、馬車すらも収まる巨大なテントの中で、

ベッドロールに寝かされていたみたいだ。

「どうだい、気分は?」

「大丈夫です。頭はいたいですが……」

 僕の正面には、40台後半のぽっちゃりがたの口髭をはやした中年が座っていた。


「これを飲むといいよ。君は、一日ねむっていたんだよ」

「ありがとうございます」

 僕は、コップを受け取ると、暖かそうな野菜のスープが入っていた。

 

 あつい!

 僕が、ふ~ふ~いいながら飲むと、彼は、安心したのか、

笑顔を見せて、自己紹介をしてくれた。


「私は、じゅうべえというもので、

 行商を生業としている。昔は、冒険者だったんだが、戦闘が怖くてね。

 商売で、生計を立てることにしたんだ。

「そうなんですか、僕は、ヒビキ、ヒビキ・カミキと言います。

 助けていただいて、すみません」

「びっくりしたよ、急にテントがドスンっていうんだから。

 慌てて外をみたら、君が倒れてるし。

 とりあえず、無事でよかったよ」

「ほんと、ここに落ちて助かりました」

「傷だらけだったけど、ポーションをかけておいたから、

 塞がってるはずだよ。頭のいたみも、そのうち治ると思うよ」

「ありがとうございます」

 僕は、体を見ると、上半身裸だったが、傷は一つも見当たらなかった。

 

「ここは、どの辺なんでしょうか?」

「ここは、ナルコルの村を少し出たとこだな。」

「それは、どの辺でしょうか?」

「君は、地理に詳しくないんだな、この大陸の人間じゃないね」

 そういうと、詳しく教えてくれた。


 といっても、リイナとともにきた交易都市がグローレットって町で、

その隣。上に向かってたはずが、町を通りこして、下にたどり着いた

らしい。

「まだ、出発は難しいですよね」

「そうだな、雨、風がひどいからな、今日は、難しいだろう。

 間もなく、夜になるから、再度、眠るといい。」

「一緒に冒険をしていた仲間と連絡を取りたいんです」

「それは、どういう、いきさつで?」

 僕は、風で吹き飛ばされた話をしたら、

驚いている。

 

 まぁ、僕だって驚くもの。

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