表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
202/545

第202話 嵐から脱出してみよう

「リイナ~」

 僕の叫びとは、裏腹に、どんどん、馬車から遠ざかっていく。

  

 これは、やばい。死ぬかもしれない。

 

 後ろ向きに、ハリケーンに引っ張られていっていたので、

向きを変えると、100メートル先には、黒い渦の塊が、僕を待ち構えていた。


 渦の中には、先ほどの飲まれた巨木が、回転しながら上にあがっているが、

同じように巻き上げられた物とぶつかって、徐々に体積を減らしている。

 

 これは、中に巻き込まれたら、一貫のおわりだ。

 

 僕は、自分に落ち着けと心に念じたが、一向に落ち着かない。

 

 何か、身を守るもの、この場から脱出するものは、

ないか、必死で考えるが、一向に出てこない。

 

 これまでの経験が走馬灯のごとく、思い出されていく。

 

 そして僕は、起死回生の魔法を思い出した。

 

 一回でうまくいくはずがない、

勇者にだって、使いこなせなかった魔法が、

僕にできるはずがない。

 

 そんな思いが湧き上がっていくが、

勇気を振り絞り、魔法をイメージしていく。


 僕が飛ぶイメージが出来上がった時には、

目の前には、黒い渦の塊が呑み込まんとしていた。


 僕は、反対を振り向き、リイナがまつ馬車を見ると、

魔法を唱えた。

飛行(フライ)


 魔法は発動され、ゆっくりとハリケーンから離れていき、

どんどんスピードが増していった。

 気が付くと、馬車の上空を通過し、弾丸のような速さで、森に向かっていった。


 樹に頭から激突しないように、頭を腕でカバーした。

 目をつむり、なすがままにすると、森の木枝をばきばき折りながら、進んでいく。


 その後も、木々をなぎ倒しながら進んでいったが、

しばらくすると、森を抜ける光が見えてきた。


 僕は安堵し、森を抜けるのをまった。

抜けた先には、巨大な茶色物体があり、頭から、激突した。


ボワン


 巨大な激突音の後、3メートル上空に浮かび、砂浜に着地した時には、

僕の意識は失っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ