第200話 次の目的地に向けて出発しよう
しばらくすると、御者さんに、肩を揺すられて起こされた。
どうやら、ついたらしい。
気持ちよく眠っている、リイナの肩を叩いて、一緒に馬車から降りた。
「結構、にぎわってるね。それに、魔道車もいっぱい」
「結構大きいのね、それに、どんどん、出発してるわね」
「あっちの魔道車のところで、並んでるよ
行ってみよう」
僕とリイナは、行列ができている最後尾に向かって歩き出すと、
その間にも、続々と魔道車は、出発していき、全ての魔道車はいなくなった。
「次が本日最後の魔道車だよ~、さぁ、並んで、並んで~」
係りの人が、冒険者や町の人を誘導させている。
30分ほど、並んでいると、係りの人が、僕たちのところまでやってきた。
「すみません、入れそうですか」
「そうだなぁ~、入れるか、入れないか、ぎりぎりだねぇ。
ここの周辺でおわりだな」
僕の後ろ一組を残して、他は、乗れないことを告げると、
30人くらいいた並んでる人たちは、散り散りに去って行った。
十分くらい待つと、新しい魔道車がやってきて、
前方の人から、順に乗っていった。僕らも前に進みながら、魔道車をみると、
2座席が2つの4座席で、10列を奥側から、どんどん詰められていった。
僕らの3グループ前まで進むと、魔道車には、空いている箇所がほぼ見えなくなっていった。
「ダメそうだね」
「これは、乗れないかもしれないわね」
最後は、2グループ前で魔道車の扉はしまり、僕らと残りのグループは、取り残された。
「どうしようか?」
「明日またくるってのも、あるけど……、
二人だったら、荷馬車に乗せてもらえるかもしれないわね」
確かに、回りを見回すと、冒険者たちは、荷馬車と話をして、乗せてもらったりしている。
僕らも、交渉すれば、乗せてもらえるかもしれない。
まだ、交渉していない荷馬車を探すと、一台だけ見つけることができた。
おじいちゃんが、小さい荷馬車で、荷をつんでいるところだった。
たぶん、小さすぎて普通のパーティでは、乗りきれないんだろう。
「すみません、一緒に連れて行ってもらうことは、できますか?」
「あぁ、ええよ。困ってるときは、お互い様じゃけぇ。
一緒に、つんでくれるかね。空いてるところにすわればえぇ」
僕と、リイナは、おじいちゃんに言われるように、
床に置いてある積荷を積んでいき、座れる場所を確保した。
通り過ぎる際に、冒険者が、
「そんなちっこい馬車じゃ、嵐で、吹き飛ぶぞ。ははは」
と馬鹿に、していたが、
「このかた、40年、飛ばされたこっちゃねぇ」
と、おじいちゃんが反論していたから、きっと、大丈夫だよね。
すべての積荷が積み終わると、次の目的地に向けて出発した。
この時、前方にたたずむ黒い雲が、この後どうなるか想像できていなかった。




