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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第二部 別れと出会いは突然に
200/545

第200話 次の目的地に向けて出発しよう

 しばらくすると、御者さんに、肩を揺すられて起こされた。

 どうやら、ついたらしい。

 気持ちよく眠っている、リイナの肩を叩いて、一緒に馬車から降りた。

「結構、にぎわってるね。それに、魔道車もいっぱい」

「結構大きいのね、それに、どんどん、出発してるわね」

「あっちの魔道車のところで、並んでるよ

 行ってみよう」

 僕とリイナは、行列ができている最後尾に向かって歩き出すと、

その間にも、続々と魔道車は、出発していき、全ての魔道車はいなくなった。


「次が本日最後の魔道車だよ~、さぁ、並んで、並んで~」

 係りの人が、冒険者や町の人を誘導させている。

 30分ほど、並んでいると、係りの人が、僕たちのところまでやってきた。

「すみません、入れそうですか」

「そうだなぁ~、入れるか、入れないか、ぎりぎりだねぇ。

 ここの周辺でおわりだな」

 僕の後ろ一組を残して、他は、乗れないことを告げると、

30人くらいいた並んでる人たちは、散り散りに去って行った。

 

 十分くらい待つと、新しい魔道車がやってきて、

前方の人から、順に乗っていった。僕らも前に進みながら、魔道車をみると、

2座席が2つの4座席で、10列を奥側から、どんどん詰められていった。


 僕らの3グループ前まで進むと、魔道車には、空いている箇所がほぼ見えなくなっていった。

「ダメそうだね」

「これは、乗れないかもしれないわね」

 最後は、2グループ前で魔道車の扉はしまり、僕らと残りのグループは、取り残された。

 

「どうしようか?」

「明日またくるってのも、あるけど……、

 二人だったら、荷馬車に乗せてもらえるかもしれないわね」

 

 確かに、回りを見回すと、冒険者たちは、荷馬車と話をして、乗せてもらったりしている。

 僕らも、交渉すれば、乗せてもらえるかもしれない。

 

 まだ、交渉していない荷馬車を探すと、一台だけ見つけることができた。

 おじいちゃんが、小さい荷馬車で、荷をつんでいるところだった。

 たぶん、小さすぎて普通のパーティでは、乗りきれないんだろう。

「すみません、一緒に連れて行ってもらうことは、できますか?」

「あぁ、ええよ。困ってるときは、お互い様じゃけぇ。

 一緒に、つんでくれるかね。空いてるところにすわればえぇ」


 僕と、リイナは、おじいちゃんに言われるように、

床に置いてある積荷を積んでいき、座れる場所を確保した。


 通り過ぎる際に、冒険者が、

「そんなちっこい馬車じゃ、嵐で、吹き飛ぶぞ。ははは」

 と馬鹿に、していたが、

「このかた、40年、飛ばされたこっちゃねぇ」

 と、おじいちゃんが反論していたから、きっと、大丈夫だよね。

 

 すべての積荷が積み終わると、次の目的地に向けて出発した。

 この時、前方にたたずむ黒い雲が、この後どうなるか想像できていなかった。

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