第189話 魔法剣士になってみよう
「ところで、武器は、何にするの?」
「ちょっと、剣を使ってみたいんだ」
「遠くから攻撃できるほうが、安全よ。
杖か弓にしなさい」
「そうなんだけど、スズネを見てみて、かっこいいなと思って」
「さすが、おにぃ、分かってるね」
後ろから、スズネの声が聞こえてきた、僕らは驚愕し振り向いた。
「すぅちゃん、なんで、いるのよ」
「そうだよ、教会の仕事をしてるんじゃないの?」
にへへと笑うと、
「今のところは、いいって。ワイバーンも倒したし。
それにしても、おにぃが、剣に興味があるって、いいね」
僕とリイナは、先ほどまでユキナとジーンがいたことを話した、
話をきくと、彼女は、一振りの小ぶりの剣と取り出した。
それは、虹色に光っているきれいな剣だった。
「これを、おにぃに売ってあげるよ、金貨1枚と銅貨3枚で。」
またこの展開か、だが、あの剣は魅力的だ。
「それは、昔わたしとゆっちゃんと冒険したときに、
すぅちゃんにあげたものじゃない。」
いまにも、卑怯だと言いたげた。
「にひひ。この剣には、剣術技術向上がついてるし、
ミスリル製だから、軽いし扱いやすいよ。ただ、リーチが短いから、
今のあたしには、少し役不足なんだよね」
「そうなんだ。じゃ、遠慮なくいただくよ」
「おにぃ、剣の上達のために、あたしと一緒に大陸の平和を守ろう!」
「それも、いいかもしんないね」
スズネの方に振り向くと、リイナが必死になってこちらに近づいてくる。
「ヒビキは、わたしと一緒に、新大陸いくんでしょ!。
一度決めたことを簡単に変えるのは、よくないわ!」
「でも、おにぃへの決定権は、一番多くお金を貸しているあたしでしょ」
スズネは、リイナに向けて勝ち誇ってりいる。
「ぐぬぅ。杖をあげるから、二刀流にしなさい。
右手に、剣、左手にステッキにすれば、魔法剣士ができるわ。
それなら、臨機応変に、後方から魔法も撃てるでしょ」
そういうと、どす黒い杖を僕にわたしてきた。
「これって、魔王がもってた杖よ、銅貨4枚でいいわ」
魔王のドロップ品を銅貨4枚とか、お得だ。あとで、オークションに出せれば、
直に借金も返せるだろう。
「リイナのいうことも、もっともだね。
ユキナ、悪いけど、ぼくは、新大陸にいってみるよ」
「残念だよ、おにぃ」
僕は、受け取った杖をそのままバックにしまった。
遠くの方でシスターが走ってくる
「勇者様~、勇者様~」
「ユキナ、教会の人が呼んでるよ」
「うん、行ってくるよ、じゃ、二人とも、元気でね! 」
彼女は、こちらを見て、名残惜しそうにしながらも、
シスターの方に走っていった。




