第182話 新しい指輪をはめてみよう
ギルドを出た入り口で、ユキナと会話を始めた。
「ユキナは、この後、どうするの?」
「教会に戻るよ」
そういったユキナの顔は、寂し気だ。
「できれば、一緒に装備買うの手伝ってほしいな」
「ヒビキさんが、そういうなら、
付き合ってあげるね」
直ぐに返事がきて嬉しそうにするところをみると、
誘われたがってたんだろう。
「リっちゃんは、こっちにいると思うよ」
彼女は、僕の腕に自分の腕を絡むと、先導し、バザーに向けて出発をした。
彼女に向ける、周りの女性の視線が僕には痛々しかったが、
彼女は気にせず、嬉しそうに向かって行る。
商店街を通り抜けると、ちらほらと、バザーが視えてきた。
バザーが始まる入り口には、リイナが腕組みをしてたっており、
お怒り気味なのが直ぐにわかった。
「お~い、リイナぁ、」
「おそいよ、ヒビキ。
それに、何でゆっちゃんと、
腕組んで歩いているのかな」
そういうと、僕の腕をつねってきた。
「いてててて」
「買い物を付き合ってほしいって誘われたんだよ」
僕には、お構いなく、ユキナは嬉しそうに返答する。
さらに、強く腕をつねられる。
「いたたた」
かなり、痛い。
「二人より、三人のほうが、いいものを見つけられるでしょ。
僕は、素人だし」
つねるのをやめると、
「まぁ、いいわ。さっき、そこの道で、
指輪を選んで来たの。
三つかってきたから、あなたに二つ挙げるわ」
僕に手渡してくれた指輪は、どれも、禍々しかった。
どれも、呪われているような気がする。
「これ、鑑定してみた?
呪われてるように見えるよ」
「そうだよ、りっちゃん、その指輪、やばそうだよ」
ユキナも呪われているように思ったようだ。
「どれも、ユニークスキルが付いてるわ
名前からして、どれも、優秀だと思うわ」
「リイナ、優秀なユニークス…」
最後まで、言わせてもらえなかった。
話の途中で、リイナは、一つの指輪を取り出すと、指にはめた。
僕とユキナは、リイナをみて、おもわず声が出た。
「「あ」」
「てへ、呪われちゃった」
どうやら、今日は、何度も呪われるかもしれない。




