第173話 報告しに大聖堂にいってみよう
大聖堂は、人でごった返してはいなかった。
いつも通りで、騒いでる人もおらず、
むしろ、空いているようにも見えた。
「なんか、空いてるね」
「みんな祭り騒ぎで、町のなかだと思うわ」
「じゃ、ちょっといってくるね」
ユキナは、小走りで、奥に向って、走っていった。
ほんの数分で、ユキナとは別のシスターがくると、
二階にある大部屋に連れていかれた。
40人ぐらいは座れそうな長方形のテーブルの奥に
八人のシスターが座っており、
手前には、ユキナが座っていた。
空気が非常に重苦しい。
僕がユキナの隣にすわると、
他の三人も各々に近辺に座った。
「勇者様、ご討伐おめでとうございます。
当教会もみな喜んでおります」
大司教は、抑揚を変えることなかったため、
喜んでいる素振りを感じることはなかった。
「ユキナ、勇者様以外の紹介と、
魔王様との戦闘の顛末をなさい」
「はい」
ユキナが返事を行うと、他の3人の紹介を軽くし、
魔王戦の最後部分をかたった。
「リイナ様が、火玉を放ち、回避したところに放った、
閃光の矢が魔王を貫き、・・」
「そんなことは、どうでもよろしい。
最後に魔王様は、何かいってましたか?
今後どうするかいわれてまましたか?」
大司教のとなりにいたセブンズオールの一人は、
イラつくのを抑えきれずに、
強い口調で話をさえぎった。
あの人は、前に僕の体を見に行ったときにいた
こたえてくれない人だ。
「特に何も言ってませんでした。
既に、魔法の酷使により会話はできない状態でした」
「わかりました」
侮蔑のような表情から悲壮感がただよう表情をしたかと思うと、
他の7人に一言、二言小声ではなすと、
「あとは任せました」
とはなすと、大司教以外のセブンズオールは、
テーブルから席を立ち始めた。
「わかりました」
大司教が返答をしていたが、
聞いてたか、聞いていないかわからないまま、
大司教をみることなく、全員が部屋から退出した。
大司教は、優しい笑みを浮かべると、
こちらに近づいていき、
僕らの近くにすわった。
「ごめんなさいね、
今から、事情を説明するわね」
と話すと優しい表情から、真顔になり
とつとつと
これまでの大陸の歩みを話し始めた。




