第17話 お姉さんから話を聞いてみよう
歯切れの悪いお姉さんから、
助けてくれたカミュをみてみる。
〈わぁ〉
カミュの頭の上に、あの時追いかけまわした、
カエルが乗っていた。
目線が変わったのを確認したお姉さんが、
「そうなのよ、あなたを見つけたとき、
カミュの頭にカエルさんが、乗ってたのよ。
カミュが見つけたというより、
カエルさんが呼びつけた?
連れてきた、っていうのが
正しい気がするのよねぇ」
「にわかには、信じがたい話ですね」
あまりにも、話が突飛すぎて、理解できない、したくない。
〈リイナは、どう思う?〉
〈わたしは、あなたが追いかけたときに少し疑問に思ってたのよ。
カエルが目標に向けて、誘導してるようにみえたの。
逃げ方も、あなたの速度に合わせて逃げてたし。
神様がカエルを誘導して、
助けてもくれたのかもしれないわね。〉
なるどほど、捕まる時は、夢中で気付かなかったけど、
傍からみると、そう見えるかもしれないね。
神様のくだりは、信じられないけど。
「森を抜けるとき、カエルさんを捕まえようと四苦八苦して
しばらく、追いかけまわした後に、森を抜け、その時に意識を無くしたんです。」
「きっと、カエルさんが、助けてくれたのね。
あなたがご主人様なのかもしれないわね。ふふふ。
カエルのテイマーは、初めて聞くわね」
まさかね、
もしかしたら、パンをあげたからなのかな。
しまった。
お姉さんの名前がわからない。
「そういえば、まだ、自己紹介をしてませんでした。
ぼくは、ヒビキ・カミキです」
「ご丁寧にどうも、ヒビキちゃん。
私は、アンリ・エーメよ。こっちは、カミュ。」
「アンリさん、いろいろとありがとうございました。」
「気にしないで、じゃ、今から、ご飯を作るわね」
そういって、台所のほうに向かっていった。
〈ちょっと、ヒビキ。
なに、名乗ってるのよ。
体は、わたしなんだから、リイナで名乗りなさいよ〉
〈あ、すっかり、カエルの話で、忘れてた。
どうしよう〉
〈どうもこうもないわね。
アンリさんに、事情を話してみて、
呪いの相談も、してみたら。ぷ〉
面倒事をおしつけて、してやったりな口調のリイナと、
どうやったら、説明できるんだろう、困ってしまった僕がいる。




