第168話 誰が一番いいか決めてみよう
「へぇ、思ってたより、あっさり体に戻れたのね」
目が座りかけているリイナに、
「そうれすね」
完全にろれつのおかしいユキナがいた。
少し話が長かったのか、
二人は、6杯目に突入している。
ジーンは、ワインの瓶をラッパで飲み始め
その飲みっぷりからか、
隣の客と一緒に飲み比べを始めた。
僕も三杯目を飲もうな。
気付いたら、グラスに注がれていた。
「最後のヒールが効かなかった。」
「効いたわよ、即死するくらいに。首飾りが代わりに身代わりになってくれたのよ」
「そうなんれすね、よかったれす、心配しましら」
「その影響で、マントの回復反転の呪いは解呪されたわ」
「なるほどねぇ。でも、首飾りがあってよかったねぇ」
僕も、そろそろ頭がぼぉとしてきた。
「ところで、リイナの魔法は、どうして魔王にきいたの?」
せっかくなんで、疑問をぶつけてみた。
「そりはですね、
りっちゃんは、貧乳だからです。
巨乳のわたしにはかなわないのです。」
「違うわよ、黙ってなさい。
わたしのユニークスキルは”弱点属性追加”よ。
たとえ魔王のように魔法の耐性をあげても、
弱点になっちゃうから、耐性強化は意味がないわ。
杖で殴っても、相手の物理耐性が弱点になちゃうから、
よほどの体力馬鹿な敵じゃないかぎり、わんぱんで倒せるわ」
「ははは、むりむりですぅ。
りっちゃんは、体力も胸も皆無だから、
勝てるのは、ゴブリンくらいですぅ」
完全に目がすわっているユキナは、自分の胸を手で強調して、
リイナを挑発している。
うん、おおきい。
「か、皆無じゃない、すこしあるわよ、すこし」
といいながら、
リイナは、ユキナの両ほっぺたをつまんで。
「いたいよ、りっちゃん」
強引にリイナの手をはずすと、
ほっぺたをさすっている。
「ヒビキさんは、りっちゃんより、私のほうが好みですよねぇ、
さっきから、私の胸ばかりみてますもんね」
「そんな小娘より、大人の色気のあるわたくしのほうが、
よいですわよね」
ジーンが飲み勝ったのが、まだ封が開けていない
ワインを二本手にとって、こちらに態勢をむけなおした。
「ヒビキは、わたしと一心同体だったんだから、わたしにきまってるよね」
なきべそをかきながら、上目でこちらをみてる。
泣き落としの作戦かな。
「一心同体なら、あたしもそうだし。
ゆっちゃんとりっちゃにも、胸で勝ってるんだから、
あたしだよね、おにぃ」
「おそいよ、すぅちゃん。
でも、すぅちゃんが知っているのは過去の私。
今の私は、こう」
まだ、ユキナは、胸をアピールすると
「あれ、ゆっちゃん、前よりも大きくなってる・・・
り。りっちゃんには、圧勝だ」
同じように、胸をこちらにむけてアピールしている。
僕は、意を決して、4杯目のワインを一気に空け、話しはじめると。
「ぼくは・・・」
意識がなくなった。




