第167話 祝勝会を開始しよう
地上に戻るとそこは、人で溢れていた。
全ての人たちは、勇者に一目を会わんと、
集まってきたからだろう。
皆々は、勇者に会うたびに、
「勇者ありがとう!」
「勇者、ばんざい!」
などの黄色い声がこだまする。
しばらくもみくちゃにされながら、前に進むと、
勇者とご一行に分かれてしまった。
胴上げされている勇者をほっぽらかし、
僕らは、先に酒場を探すことになった。
「先に酒場に向かうから、後で合流するのよ」
周りの雑音でスズネに、リイナの声が
どこまで聞こえているか、判らない。
周りの酒場や飲食店では、すでに宴がはじまっている。
それぞれの店で、出来上がっている人が多数おり、
私のおごりだなどの声も聞こえてくる。
店の中にいる人たちは、お酒や、食べ物を
バックから、取り出しては、いろんなテーブルに進呈している。
「そこがあいてますわ」
人だらけの中、
一テーブルだけ、4人がいられるテーブルがあった。
既に店内の椅子はすべて取り除かれており、
みんな立って飲みくいをしている。
ユキナは、マスターのところに向かうと、
「はい。どうぞ」
エールを4杯もらってきて、
「じゃ、魔王を討伐したお祝いと」
「僕が体をとりもどしたお祝いと」
「ゆっちゃんが、体に戻れたお祝いと」
「無事に戻ってこれたお祝いに」
〈〈〈〈乾杯〉〉〉〉
一気にグラスをあけて、胃の中に流しこむ
「うまい」
「「おいしい」」
「おいしいですわ~」
歓喜の声を口々にいいあっている。
食事の注文をするため、ユキナがマスターの所に向かったが、
帰ってくるころには、
他のテーブルからのプレゼントで、料理が溢れていた。
こちらも、リイナが、焼き鳥やら唐揚げやらを
バックからとりだし、
配っている。
「麺料理がたべたいですわ」
「あるよ」
となりから、麺料理のおすそわけがやってきた。
「おいしいですわ~」
ジーンは嬉しそうに手を付けている。
すでに、ワインは、六杯目を超えている。
正面では、ユキナとリイナが学校であった昔話をしているが、
僕は、内容がまったくわからないから、
眺めてにこにこしているだけだ。
ふたりとも、4杯目に突入している。
僕も、二杯目のワインを静かに飲みながら、
チーズ料理に手をのばしている。
「スズネは、なかなか、戻ってこないね」
「そうね。そういえば、どうして二人は、一緒にいたの。
あの後、どうなったの?」
「そうだよ、急に魔王の背後から二人が、
出てきたときは、驚かないようにするの
大変だったんだよ」
どうやら、二人には、背後から近寄ってたのは、
ばれていたみたいだ。
僕は、ソーセージを食べながら、
サウゲトから、魔法陣で、ダンジョンに入るまでを
説明した。




