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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第一部 呪いをとくのは簡単だ
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第164話 魔王との戦闘を眺めてみよう

魔王は探す必要はなかった。

遠目から、

空中に浮いているのが確認できたからだ。、

飛んでくる火玉ファイヤーボールを華麗に避けている。


スズネに誘導されながら、

近づいて行き、

魔王の後ろにある岩場に陣取った。

「りっちゃんたちが頑張ってるから、

ちょっと様子をうかがってみるね。」

うなずき、3人の様子を観察することにした。

ヒーローは遅れて登場する演出だろうか。


戦闘は、だいたい

魔王に向かって、リイナが魔法を撃ち、

ユキナがじっと見て、

ジーンが、リイナの後に矢で攻撃をする。

こんな流れだ。


リイナの攻撃は、一度も当たっていないが、

ジーンの攻撃は、8割以上当たっている。

だが、魔王には、岩に跳ね返るように、体にあたると、

弾かれていた。


ときおり、デーモンを打ち取ったような

溜めの大きな矢を撃った時は、

突き刺さっていたようだが、

直ぐに抜き取ると、自然に回復されていた。


魔王の攻撃は、火玉ファイヤーボールを避けるタイミングや、

矢を受けた後に、魔法で攻撃を行ってるのをみるかぎり、

物理より魔法、遠距離がメインなんだと思う。


ほとんどの魔法攻撃を

リイナが前にでて、受け止めており、

それが、できないでジーンがダメージを負った時だけ、ユキナが回復しているようだ。


僕らがきたときから、半時ほど、似たようなやり取りを

繰り返している。


徐々に、

魔王の魔法攻撃に、回復魔法が入るようになった。

リイナが食らわないように、ユキナが前にでる

といった、見たこともない戦闘が続いている。


ユキナが前にでると、魔法攻撃を行い、

ユキナが食らわないように、リイナが前にでる。

合わせたように、リイナが、反撃で魔法を放つ。

まるでターン制のような攻防が続いている。


「これ、状況が変わるのかな」

小声で、スズネに聞いてみた。

「現状のままだと、無理かな。

負ける要素も、勝つ要素もないや」

そういうと、少し考えて、

「魔法のうち疲れで、

リイナか、魔王が、あんぽんたん状態になったら、

事態は、変わると思う。

魔王が、そんなになるとは、思えないけど。」

こちらに向いたとき、

事態は、少し動いた。

リイナが回復魔法をくらったからだ。


地面に血反吐を吐くと、

後ろの頭を、ユキナがメイスで叩いている。

リイナは魔法を撃つことができなかったが、

魔王には、ジーンの10本同時に撃った矢の数本を体にうけていた。


魔王は、片手で、刺さった矢を払うと、

回復呪文を範囲を広げて魔法をかけ始めた。

辺り一面に、回復するための、光の粒子がひろがる。


今度は、魔王が回復し、ヒーラーが味方の頭をなぐる、

シュールな展開が続いている。

ときおり、回復エリアをダッシュで逃げてたりするリイナがいるから、

より、シュールだ。

リイナ達の魔法で攻撃する回数が減ってきている。


「ちょっと劣勢になったね」

「そろそろ、動くと思う。

りっちゃんが、アーチャーに指示をだしてる。

アーチャーの周りには、これまで見たことがない、でかい矢を地面にささってるよ」

言われている通り、

ジーンの周りには、デーモンを打ち取った時よりもはるかに長く太い真っ黒な矢が2本刺さっていた。


場所を移動するごとに、でかい矢ををつくっている、

ジーンは、

10本の矢を屋筒から抜くと、バックから粉をとりだし練成して

地面に突き刺した。ストックを作っているようだ。

今回で、3本目になった。


魔王は、気付いているのか、気付いていないのか、

ジーンには、まったく興味がないように見える。

そもそも、矢を避ける気がないようにも見えた。


だんだん、エリアと回復量が大きくなっている。

既に、魔法攻撃はなく、魔王は、回復魔法しか使っていない。

前回・今回続けて、リイナは、ダッシュで、どうにか、エリア外に逃げることができており、

最初の場所に近いところまで、来ているようだ。


「そろそろ、終わりにしてやる」

フロアに低い魔王の声が聞こえた。

全領域全回復オールエリアリカバリー

僕がいるところも含めた、

このフロアの全ての地面から、回復する光の粒子が見える。


リイナは、驚愕の表情を浮かべると、

地面に顔を伏せた。

ユキナは、絶望の表情を浮かべて、魔王を睨みつけている。


魔法は直ぐに完成し、僕は体のそこから、

健康になっていく感じがした。

たぶん、他の人間も同様に回復したんだろう、一人を除いて。


僕は、これまでのように血反吐をはき、倒れ込む

リイナを想像すると、

リイナ達から、目を離すことができなかった。


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