第162話 体を取り戻してみよう
〈そういえば、ユキナを
石化したって話を聴いたよ。
それに、そもそも、リイナに
固執している理由がよく
わからないんだけど。
スズネを解呪させないためなのかな〉
スズネは、すこし考えると
思い出しながら話をしてくれた。
〈それもあると思うけど、他にもあるみたい。
そもそも、魔王に攻撃を与えることは、
なかなか難しいみたいだ。
っていうのも、常時物理・魔法のダメージ耐性の膜が張ってあって
よほどの攻撃がないとダメージが通らないみたい。〉
あれ、簡単に一撃くらわせたように、きこえたけど。
どうなんだろう。
〈でも、不意打ちだったから、当たったんじゃないの。
その後のスズネの攻撃もあたったんだし。〉
〈あたしの攻撃は、りっちゃんの攻撃のダメージが大きくて、
通常のダメージ耐性を超えたことで、
当たったと考えたみたい。
通常なら、あたしの攻撃ぐらいでは、無傷って思ってたみたい〉
〈どうして、リイナのはあたったの?〉
〈それは、流石に判らなかったみたい。
耐性以上のダメージがあったのか、
耐性を無効にするユニークスキルもちなのか。
それを探るために泳がせてたみたい。
だから、少しずつ呪いをかけて、
弱体化と様子をうかがってたみたいだよ〉
〈ふ~ん。
で、どうして、ユキナが石化に?
呪いを解こうとしたから?〉
〈そうみたい。計画が壊れる可能性が
あったから、邪魔させないために、石化させたみたい。〉
〈他にも、リイナの仲間を増やせないようなことをしたの?〉
〈そうみたい。
魔法使いだから、思考の低下で、考える力をなくさせたり、
過去の経験値を蓄積させないために、記憶力に影響のある呪いをかけたり、
周りと協力させないために、
嫌悪の呪いをかけたりしたみたい。
始めに不運をかけることで、全ての事が悪くするようにしたみたい〉
〈でも、それだったら、毒ダメージがつく靴とか、
回復反転とかは、何か意味があるの?
直ぐ死んじゃうし、死ななくなっちゃうし〉
〈それは、魔王じゃゃないわ。
勝手にりっちゃんが、装備したんだと思う。
もしかしたら、一番初めにあげた、不運の指輪が影響してるかもしれないけど〉
どうやら、いくつかは、
自分で装備したようだ、
変な靴ももってたし、何も気にせずはいて、呪われてたし、
嫌悪のようなデメリットのユニークスキルを別でもってるのかもしれない。
そんな会話をしていると、
あっという間に、聖都に到着し、体のある教会が見えてきた。
体のある部屋の窓から入ると、
見張りや介護のシスターは今は、いないようだ。
当然、僕は、中にはいれず、少し離れたところから、
見ている。
〈やっぱり、はいれないみたいだね。
ちょっとまってて〉
バックの中から一本のスクロールを
取り出すと、魔法を唱え始めた。
〈魔法解除〉
スクロールは、燃え尽き、
薄く張られていた膜は、なくなり、
僕は、吸い寄せられるように、
自分の体に戻った。
〈う、うぅ〉
ぼくは、ゆっくりと目を開けると、
そこには、スズネがたっており、
僕に向かって笑顔を向けている、
彼女の肩をかりることで、立つことができた。
「ありがとう。
ようやく、体が戻ったよ」
心から、感謝を伝えるとと。
「やっぱり、自分の考えが読まれないって、いいよね、
じゃ、向かおう、おにぃ。」
どうして、僕の体を優先したのかが分かった。




