第151話 新しい靴をはいてみよう
聖都をでてから、1~2時間は平坦だった道も、
あと数時間は急な坂道、山を登らないといけないようだ。
少し苦しげだが、最初の重い空気に比べると、
和やかに会話をしながら進んでいるので、
距離はすすんでいるんだろう。
「りっちゃん、今日は、ダンジョンにいくの?」
「そうね、早い方がいいから、様子見だけしてこようと思ってるわ。
このペースなら、夕時前に到着できそうだし」
「そういえば、あの時、
止めをさして、すぅちゃんが戻ってきたと思ったけど、
確認はすぅちゃんにまかせたから、しなったよね」
「そうね、二人で抱き合って喜んで、そのままでちゃったから、
奥にもいってないわね。
どうなってるか、確認しないとわかんないわ」
二人は、以前に潜った際のダンジョンのことを
確認するため、話しあっている、
「わたくしは、ついていくだけですわ」
合わせるかのように、ジーンも会話にはいっていく。
もう、気分は戻っているようだ。
三人の会話が続いているが、
間もなく、ゴールに到着するようだ。
遠目でも、町が見えている。
「もうすぐ到着するわね。」
そうつぶやくと、リイナ達は、足取りを速めた。
半時ほどたつと、町の入り口にたった。
「ここが、迷宮都市 オガナ よ。
町の真ん中にあるのが、大陸最大のダンジョン
ジルハート大迷宮よ」
「ここに来るのも、久しぶり。
あんまり、変わってないね。
ね、りっちゃん」
「まだ、町の入り口よ。
ダンジョンまでは、変わってるかも
しれないわよ」
そういうと、すたすたとゲートをくぐる。
<<足防具の呪いは、解呪されました>>
<<足防具のユニークスキルが、毒ダメージ【中】→歩行回復【中】にかわります。>>
それとともに、崩れだすリイナ。
〈リイナ、早く靴を脱いで。〉
苦しげに靴をぬぎはじめ、
他の二人は、あまりの奇行に不思議そうに見てる。
「靴の呪いが解呪されたんだと思いますわ」
苦しげにしているリイナを見ながら、
ジーンがユキナに説明をしている。
なんとか靴を脱ぎユキナに手渡す。
「ゆっちゃんは、これをはきなさい。
歩いてるだけで、回復できる
とてもありがたい、エルフの国宝なのよ」
受け取ったユキナは、
ばっちぃものを、触るように積まんでもち、
「ああ、うん、
ありがたいのはわかったけど、
今ので十分し、魔法で回復できるから、返すね」
足元に、置いた。
「じゃ、ジーンに返すわ、どうぞ、もらって」
足元にある靴を一瞥すると、
「一度洗ってからにしてほしいですわ」
どうやら、その辺の機微は彼女は理解できないようだ、
不思議そうにしている。
「そう」
といって、バックにしまい。
以前に使ってたであろう、古い靴をとりだすと、
履き始めた。
<<あなたは、呪われました。>>
僕は、事の展開のはやさに、頭がおかしくなりそうになった。




