第140話 リイナの家をみてみよう
ゲートを出ると、正面の道路を中心に、蟻の巣上に道が広がっているようだ。
正面の3階建ての建物が一番大きく、
あとは、2階建ての建物も、もちらほら見えるが、
流石に奥までは、見ることはできなかった。
大通り沿いは、商店が多く並んでいたが、全て閉まっていた。
〈リイナの家は、どのへんなの?〉
〈ふふふ、まぁ、付いて来ればわかるわ〉
リイナは、こちらをみず、先頭を歩いている。
「今日は、どの部屋つかおうかな、
迷うなぁ。」
ユキナさんは、いろいろな部屋を思い出しているのか、
嬉しそうにリイナの顔色を窺っている。
しばらく進むと、ゲートから見えていた、
水上に住宅で一番大きな建築物が見えた。
〈もしかして、最初から見えてたこれなの?〉
僕は、見上げるように建物の前に出て、
驚愕している。
僕の顔をみると、とても楽しそうだ。
〈ふふふ、
よかったわ、驚いてくれて〉
〈そりゃ、驚くよ、
水上都市にあったキャロットさんところより、
大きいじゃないか〉
〈ふふふ。
広さで言えば、この前泊った宿と
大きさは変わらないわね〉
〈とまった部屋じゃなくて、
建物の話だよね。
村一番の宿屋と同じくらいの建物なんて、
君は、何者なんだよ〉
〈パパが商人で、ここはパパの家よ。
まぁ、両親も妹も住んでないから、
わたしだけの家ってなるけど〉
そういうと、家のドアをあけて、入って行った。
「どうぞ、入って。
一階と二階、好きな部屋を使っていいわ。
3階は、家族の部屋だから、
そっちは、遠慮してね」
そういうと、灯の魔法を、となえ、
歩きながらつけて行った。
部屋は、ほこりやごみ、
汚れなどは、なく、きれいに清掃がされていた。
「さすが、ママね。しっかり掃除が行き届いているわ」
いろいろな部屋を開けては、
懐かしそうにしながら、確認をしている。
「りっちゃん、
わたしは、りっちゃんの部屋にする。
いいでしょ?」
「どうせ、どんな返答でも、聴かないんでしょ。いいわ」
すこし、嬉しそうだ。
わたくしは、どこでもいいですわ。
では、入り口に近い部屋にいたしますわ」
「そこは、客間じゃないのだけれど、
まぁ、どこでも、好きにつかって構わないわ」
きっと、寝袋を使う気なのだろう。
リイナに連れ立って、
2階にあがると、
多数の部屋があったが、一番奥がキッチンだった。
キッチンだけで一部屋はつぶしていそうな広さと、
村でたべたときは、円卓だったが、
今度は、縦長で、10人以上は座れそうなテーブルがあった。
壁面は、ほぼガラス張りになっており、
海が一望できるようになっていた。
「さぁ、着替えたら、ご飯にしましょう!」
みんなは、各々の部屋でラフな格好に着替えるとと、
再び、食堂に集まってきた。




