第14話 ゆっくりスープをいただこう
そして、僕は目が覚めた。
当然幽体だ。
隣では、リイナが寝ているっていうか、
きっと、目が覚めているんだろうけど、
開けれないんだろう。
〈リイナ、大丈夫?〉
僕は、心配そうな声で聴いてみた。
〈大丈夫じゃないわね。
あなたと会話するぐらいしかできないかも、
ピクリともできない。
状況を教えてくれる?〉
やっぱり、起きれそうになかったし、目もあけれるほどの
体力はないのかもしれない。
〈ここは、誰かの家の中だと思う。
運ばれて介抱されたんじゃないかな。
ベッドの隣にあるテーブルには、スープみたいなものと、水が置いてあるよ。〉
木造の家で、質素な作りではあるが、
寝室が区切られてるというと、
そこそこの広さがある一軒家なのかもしれない。
「わん、わんわん」
「どうしたの、カミュ。あ、冒険者さんが起きたのかしら。
ちょっと様子を見てこようかしらね」
どうやら、ここのご主人様とわんこさんみたいだ。
〈こっちにくるみたいだよ〉
〈わたしにも、聞こえたわ。
悪い人じゃなさそうだし、私は動けないし、
様子をみるしかないわね〉
まだ、リイナはぴくりとも動けなさそうだ。
僕は、先にどういった人なのかを見に、扉に向かったが、
同じタイミングで、扉が開いた。
「目をさましたかしら、体調はどう?
ただの疲労と空腹だと思ったから、
スプーンで少しだけ食べさせたのだけど」
彼女は、心配そうに、しゃべりながら、
近づいてきた。
リイナは、まだ、目もあけれない状態だったが
「ぁ、り・・」
「しゃべらなくて、いいわ。
スープは飲めそう」
リイナは、うなづくことができたようだ。
そうして彼女は、リイナを抱きかかえると、
ゆっくり一口づつ、食べさせていった。
一椀ほど、平らげたところ。
リイナはお腹いっぱいになったところで、
安心したのか、気を失った。




