第131話 朝一で頭がまわるようにしよう
朝起きると、食事の準備をしている音が聞こえる。
「おはよう、リイナ」
「おはよう、ヒビキ」
挨拶を軽くすますと、寝室を出た。
マイミさんが、台所で料理を作っているが、
居間にあるテーブルには、既に、料理でいっぱいになってる。
マホちゃんが一生懸命運んでる。
「おはようございます」
「「おはよう」」
「美味しそうですね」
「たくさん
とれたの」
マホちゃんは、嬉しそうに報告してくる
「全部
使ったら、
のらなく
なっちゃて」
そういいながら、
焼きあがった魚をもって右往左往し始めた。
そういえば、
昨日は4脚しかなった椅子が、5脚になってる。
支配人さんが、朝のタイミングで貸してくれた
って、マイミさんが説明してくれた。
「おはようございます、お姉さま」
エルは、寝ぼけ眼で、
あくびをしながら寝室からでてきた。
ジーンは、奥でまだ寝ているようだ。
「おはよう、エルさん」
少し、しゃっきりしたのか、
目がさっきより、大きくなっている。
「エルさん・・・」
なにか、小さく呟きながら、
考え始めた。
「料理がいっぱい並んでますね。
どれから食べるか悩みますね」
「そうだね、
まだ、作ってるみたいだから、
もっとでてくると思うよ」
僕は、話しかけてくるエルさんに、
先程のことも踏まえて返答した。
「思うよ」
また、小さく呟くと、じっとこちらをみて、
訝しがっている。
ふと、思い出したかのように、寝室に戻って行った。
寝室の中で、まだ眠っているジーンに
「リイナお姉さまが変なんです。
別人みたいな口調なんです」
と、ジーンを揺さぶって起こした。
〈ヒビキ、やっちゃったわね、ばれるわね〉
と頭に手をつける。
〈しまった。何も考えずに、話してた〉
エルを止めに、寝室にはいろうとした時、
ジーンが半分目を開けると話し出した、
「今日は、リイナじゃなく、ヒビキなんだから、当たり前よ。
わたくしは、まだ眠るわ」
といって、布団の中にもぐりこんだ。
同一のタイミングで、ドアを開けたことによって、
エルさんと目があった
「ど、どういうことなんですか?!」
と、すごい勢いで詰め寄られた。
僕は、ジーンを叩き起こし、
朝食を採りつつ、
これまでの経緯を含めて
話すことになった。




